2000 Fiscal Year Annual Research Report
植物の葉と花の折畳み・展開構造の生物規範工学的研究
Project/Area Number |
11650074
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 秀敏 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (10205479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臺丸谷 政志 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (40002018)
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Keywords | 折畳み・展開構造 / 植物の葉 / 折れ線間隔比 / ベクトル解析 / 最適設計 / 展開エネルギ |
Research Abstract |
本年度は,掌状脈系に沿ってジャバラ状に折畳まれたヤマモミジの葉について,新たに導入したディジタルビデオカメラによる展開過程の観察や,葉脈角や葉脈の長さ,葉身要素の面積分布等の形状計測,葉脈や葉身の引張試験における新規購入の非接触変位計用交換レンズを用いた伸びの計測等を行った.これらの計測から,モミジは,折畳み時に,太い葉脈が重なり局部的に厚みが増加するのを避けるよう,葉脈角を微妙に調整していることが明らかになった.また,これら基礎計測を基に構築された数値展開モデルを用いた数値展開シミュレーションを行い,展開時の運動エネルギーは展開初期に最大となり,展開の進行につれて次第に減少し,最終段階では初期の5%以下になること,全運動エネルギは,葉身形状に依存し,葉脈間の葉身の切れ込みが小さい形状の葉ほど小さくなることを明らかにした. 本年度のもう一つのテーマは,ハート型の比較的広い葉身を持ち,葉の両サイドから巻き込むように畳まれているフキの葉に関する研究である.本年度は,フキの葉の展開様式を考察するための基礎資料となる葉身や葉脈の形状計測,葉脈分布パターンの決定,葉身や葉脈の構造材料としての力学的特性の解明に焦点を絞って研究を行った.その結果,フキの葉の葉脈の剛性は葉身の約11倍,引張強度は約6倍,密度は約1.2倍あり,葉身の支持部材としての役割を担うのに適していること,広い面を確保する構造としては,フキの葉のような面を維持する部材とそれを支持する部材からなる複合構造が効率的であること等が明らかになった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Kobayashi et al.: "Folding/Unfolding Manner of Tree Leaves as Deployable Structures"Solid Mechanics and Its Applications. vol.80. 211-220 (2000)
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[Publications] 小林秀敏 他2名: "蕗の葉の脈系パターンとその力学的寄与"材料. vol.49 No.12. 1318-1323 (2000)