2000 Fiscal Year Annual Research Report
不均質な材料の力学モデルの構築と溶接構造物の熱影響部評価への適用
Project/Area Number |
11650089
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
今谷 勝次 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (70191898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 拓也 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (50311741)
星出 敏彦 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (80135623)
井上 達雄 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (10025950)
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Keywords | 不均質性 / 熱影響部 / 結晶塑性学 / 有限要素法 / 微視変形 / 材料異方性 |
Research Abstract |
不均質な力学的挙動を解析する手法を構築するために,主に溶接熱影響部の室温および高温における微視的変形挙動を実験的・解析的に検討した.得られた成果は以下のとおりである. 1.溶接熱影響部の強度 … 熱影響部には結晶粒径が細粒化している部分と粗粒化している部分が形成されるが,供試材であるMod.9Cr-1Mo鋼では細粒部の硬さが小さく,通常観察されるホールペッチの関係が成立しないことがわかった.これは,溶接プロセスでの複雑な熱履歴が影響していると考えられる. 2.多結晶体のモデル解析 … 単結晶に関する構成式においてすべり系をランダムに設定して有限要素法に導入することで,多結晶体を模擬的に再現する手法を構築した.その結果,粒径が大きい領域のひずみのバラツキが大きいことが示され,実験と定性的に一致することを確認した.熱影響部の変形を記述するためには,粒径によって材料パラメータを変化させる必要があることがわかった. 3.粒界すべりの影響 … 接合要素を用いて結晶間のすべりをモデル化した.その結果,粒界の導入によってひずみ分布がまったく異なったものとなり,特に粒内のひずみのバラツキがさらに顕著になることがわかった.この成果は,高温における粒界き裂の発生やすべりのモデルの基礎として適用可能である. 4.異方性軸の自己適応モデル … 外部からの力学的条件によって異方性軸が変化するモデルを構築した.このモデルは,一方向強化複合材料のマクロな挙動だけでなく,さらに不均質性が時間とともに変化する生体の自己組織化への適用も期待できることが示された.
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[Publications] 前田亮平: "溶接熱影響部の微視的変形と結晶塑性解析による検討"日本材料学会第50期学術講演会論文集. (発表予定). (2001)
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[Publications] Shoji IMATANI: "A Constitutive Model of Adaptation and Anisotropy for Growing Material"Material Science Research International : Special Technical Publication-2. (発表予定). (2001)