2001 Fiscal Year Annual Research Report
残留応力・不均質材料中を伝ぱする三次元疲労き裂の寿命予測法と実験的検証
Project/Area Number |
11650091
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻 昌宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10132630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 司郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20107139)
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Keywords | 残留応力 / 三次元斜めき裂 / 疲労き裂伝ぱ / き裂伝ぱ経路 / シミュレーション / 直接観察 / 疲労寿命予測 / 有限要素法 |
Research Abstract |
本年度は,最終年度であったので,今までの研究成果を総括するとともに,前年度に成し得なかった実験及びシミュレーション等を再度試みた.それらの結果を総合し,残留応力場・不均質材料中を伝ぱする三次元疲労き裂の伝ぱ挙動の特徴を明らかにすると共に,き裂伝ぱシミュレーションに基づいた三次元き裂の疲労寿命予測法を手順化し確立することに努めた.以下に得られた結果を示す. (1)昨年度不具合があった自動メッシュ切り直しプログラムがほぼ修正され,き裂伝ぱシミュレーションを継続して行うことができた.本年度のシミュレーションの対象として,残留応力場下の斜め隅き裂円孔に向かい伝ぱする斜め隅き裂,およびボルトで締結された円孔縁から生じる斜め隅き裂を採用した.その結果,円孔および,締結の影響を確認することができた.また,残留応力場下の斜め隅き裂に対してはPMMA材を用いた実験も行い,シミュレーション結果と比較した.その結果,『U予測による寿命予測法』と『Δ_<σθ>最大クライテリオン』を組み合わせた三次元疲労き裂伝ぱ寿命推定法及びき裂伝ぱシミュレーションの有効性及び適用性が確認され,き裂伝ぱシミュレーションに基づいた三次元き裂の疲労寿命予測法の手順化が大きく前進した. (2)透光性材料であるPMMAで作成された試験片に,水焼き入れ法により,試験片側面部圧縮・中央部引張の残留応力を導入した.その残留応力場下を斜め隅疲労き裂を伝ぱさせる三次元疲労き裂伝ぱ実験を行い,き裂の開閉口挙動の直接目視観察を行った.その結果,除荷につれ圧縮残留応力場下のき裂口部から閉口し,き裂先端部が最後に閉じるいわゆるき裂面の部分弾性接触現象を観察することができた.なお,本実験範囲では,き裂が完全開口及び完全閉口していたため,寿命推定には,その開閉口挙動のシミュレーションの必要がなく行わなかった.
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[Publications] 山本智彦, 辻昌宏, 久保司郎, 徳増裕之: "有限要素法を用いた残留応力場における三次元斜め疲労き裂の伝ぱシミュレーションおよびその実験的検証"日本機械学会関西支部第77期定時総会講演論文集. 024-1. (2002)