2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650126
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小坂田 宏造 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (50031109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津 雅亮 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (20304032)
塩見 誠規 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (90263227)
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Keywords | 精密鍛造 / 前後方押出し加工 / 歯車成形 / 背圧 / 押出し部出口速度制御 |
Research Abstract |
本研究では,前後方押出し加工において,押出し部先端の平坦度不良と側面の充満不良を低減すると同時に任意の前方,後方の押出し長さを得るために,押出し前方から押出し方向と反対方向に背圧を付加し,前方の押出し部出口速度を制御した.さらに押出し部出口速度を制御して加工を行った後に下パンチを逆に押戻すことによって,押出し部先端の平坦度不良,側面の充満不良を低減させた.押出し部形状が前方は歯形状で後方は棒,缶形状のものについて純鉛を用いてモデル実験およびシミュレーションを行った. 1.成形形状 押戻しを行うことによって,押戻しなしでは押出し部先端や側面に未充満部分が残るような場合でも,完全に充満させることができた.しかしながら,成形部品の表面には押出しから押戻しに変更した直後に押出された部分に傷が見られた.この傷は形状として問題はなく表面光沢で線が入ったように見える程度である. 背圧を付加するだけの場合と押戻しを組合わせた場合について成形欠陥が生じない成形限界を比較すると,押戻しを組合わせた場合の方が前方押出し部の長い製品が成形できた. 2.押出し荷重 上パンチの押出し荷重は,背圧付加押出し後に押戻しをしても,背圧付加押出し時よりも低くなった.下パンチの押出し荷重は押戻しを行うと同時に急激に大きくなり,上パンチの最大押出し荷重と同程度になるが,背圧を付加しない場合の上パンチの最大荷重よりは小さくなった. 以上より,前後方押出し加工中は背圧を付加してその後に押戻しを行うことにより,背圧を付加した前後方押出しの場合と同程度の加工荷重で成形欠陥が生じないで押出し部のより長い製品が得られることがわかった.
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