1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650131
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大橋 一仁 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (10223918)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 貴典 岡山大学, 地域共同研究センター, 助手 (20274011)
塚本 真也 岡山大学, 工学部, 助教授 (80163773)
中島 利勝 岡山大学, 工学部, 教授 (80026038)
|
Keywords | 超精密切削 / 異方超弾性材料 / ダイヤモンドバイト / 形状誤差 / 切削熱 / 温度上昇 / 熱膨張係数 |
Research Abstract |
異方超弾性材料の超精密切削機構を解明するにあたり,本年度は磁気ディスクやポリゴンミラーなどの電子光学部品に多用されているAl-Mg合金の端面を焼結ダイヤモンドバイトで平面に超精密切削し,その超精密切削面創成機構を実験的に検討した。その結果,超精密切削面の断面形状は外周部から中央部にかけて一旦大きく凹んだ後に緩やかに回復し,工具刃先の理論的運動奇跡から約50nmの形状誤差を有する中凹状となることが確認された。そこで,この形状誤差が超精密切削現象に伴う切削熱によって発生する超精密切削系構成部分の熱変形によるものであると考え,まず超精密切削過程におけるバイト先端における温度上昇と超精密切削面形状との関係を実験的に検討した。その結果,バイト先端部の温度は超精密切削の開始直後から急激に上昇し,その後工作物の中心に近づくに従い切削速度が小さくなるに伴って下がる傾向にあることが明らかになった。このバイト先端部の温度分布の変化過程に基づいて,工具刃先である焼結ダイヤモンドおよびそれを固定する超硬合金の熱膨張係数を考慮し算出された超精密切削過程における工具刃先の熱変形量の変化過程は超精密切削された表面の形状誤差に値こそ異なるものの,極めて類似したものであることが明らかになった。今後は,超精密切削加工による工作物の熱変形量を解明し,超精密切削によって発生する切削面の中凹状の形状誤差の生成過程を解明する予定である。さらに,超精密切削面の形状誤差を支配する要因を明らかにし,その要因からのフィードバック信号によってインプロセスで形状補正を行うことが可能な超精密切削システムを構築することを試みる。
|
Research Products
(1 results)