1999 Fiscal Year Annual Research Report
酸化チタン添加超硬質化アルミナ系材料の加工工具への応用に関する研究
Project/Area Number |
11650136
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
上神 謙次郎 大阪市立大学, 工学部, 教授 (50047180)
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Keywords | 酸化アルミニウム / WA砥粒 / ホワイトサファイア / 酸化チタン / 固溶硬化 / 砥石 / 切削工具 / サファイアバイト |
Research Abstract |
純度の高い酸化アルミニウム(アルミナ)を成分とするアルミナセラミックス、同じくWA砥粒、そして、単結晶であるホワイトサファイアなどに各種酸化物を適量固溶させると硬質化することを見いだしたが、その中でもTiO_2、Y_2O_3の固溶が硬質化に最も効果的であることを明らかにしてきた。TiO_2は比較的安価であるので、これをアルミナセラミック原料粉末に混合・混練して試料セラミック全体に均一に分散させて焼成し、セラミックを作成した。これを加工用工具材料として用いる場合の基礎的な試験を行った。 まず、セラミック粉体の加圧成型時の成型圧力の適性値を求める実験をし、約150MPa/cm^3程度がよい事を確認したうえで、TiO_2を各種濃度に混合したアルミナを加圧成型し、1500℃にて5時間焼成した。このセラミックの硬さを測定したところ、約0.8%の混合割合のセラミックが2500HV0.2の最高値になった。 次にこのセラミックを先端角120°の円錐に研磨成型し、旋盤にて回転させた構造用鋼S55Cの丸棒に押し付けて先端の摩耗量を調べ、工具としての耐久性を調べた。その結果、やはり、TiO_2を0.8%混合したものが最も摩耗量が少なくなった。これらのことから、TiO_2の0.8%混合量が優れたセラミックを作る事を確認できた。
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[Publications] 上神 謙次郎: "TiO_2添加による硬質化セラミック工具の開発に関する基礎研究"1998年度精密工学会秋季大会 学術講演会講演論文集. F53. 260-260 (1998)
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[Publications] 上神謙次郎,佐藤嘉洋: "アルミナ系工具材料へのTiO_2添加による性能向上"精密工学会1999年度関西地方定期学術講演会講演論文集. A・23. 45-46 (1999)