2000 Fiscal Year Annual Research Report
先進硬質被膜のトライボロジー特性評価と超加速試験法
Project/Area Number |
11650149
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Research Institution | Fukui University |
Principal Investigator |
前川 紀英 福井大学, 工学部, 助手 (20262610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 善郎 福井大学, 工学部, 教授 (40115291)
本田 知己 福井大学, 工学部, 助教授 (80251982)
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Keywords | トライボロジー / 硬質被膜 / CrNi系被膜 / DLC被膜 / スラリージェット摩耗試験 / 耐摩耗性 |
Research Abstract |
固体粒子衝突摩耗試験機(ウエットブラスト式摩耗試験機)を用いてCrNi系被膜とDLC被膜の摩耗試験を行い、トライボロジー特性の評価および耐摩耗性と被膜特性の関係について研究した。得られた結果を以下に示す。 (1)CrNi系硬質被膜に1μmのアルミナ粒子を3wt.%含む水(スラリージェット)を衝突角度90゜で衝突させて摩耗試験を行い、被膜の摩耗を最大摩耗深さで評価した。摩耗深さは試験時間に伴って直線的に増加した。摩耗深さは、被膜から母材に達する時点から急激に進展することから、被膜と母材の摩耗速度および被膜厚さを精確に知ることができることがわかった。CrNi系被膜ではNi含有率が増加するほど耐摩耗性は低下する。 (2)硬さの異なるDLC被膜についても、CrNi系被膜と同じ試験条件と測定方法で被膜の耐摩耗性を評価できた。軟DLC被膜は密着の弱い界面で破壊が始まり、その後一気に全面が脱落する。一方、硬DLC被膜は局所的な損傷によって母材が露出する。このような損傷の違いは、摩耗曲線の変化にも明瞭に現れた。 (3)提案した固体粒子衝突摩耗試験機を用いた被膜評価法は、超硬質で厚さ数μmのCrNi系、DLCなどの先端的被膜に対しても、トライボロジー特性評価の超加速試験法として有用であることが明らかになった。
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