1999 Fiscal Year Annual Research Report
圧電アクチュエータ用超高倍率変位拡大機構による多自由度位置姿勢制御の研究
Project/Area Number |
11650150
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
田中 道彦 信州大学, 工学部, 教授 (20021024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辺見 信彦 信州大学, 工学部, 助教授 (80256669)
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Keywords | 圧電アクチュエータ / 変位拡大 / FEM解析 / 弾性ヒンジ / 精密位置決め / 変位拡大率 |
Research Abstract |
本研究では,弾性ヒンジを用いた圧電アクチュエータ用の変位拡大機構について研究し,小型で,高い拡大率を有する高精度な位置決め機構を実現することを目的としている.最終的には多自由度位置決め機構の実現を目指しているが,まずは多自由度機構を構成するための新しい1自由度変位拡大機構を提案して特性を検討した.拡大機構の形状や弾性ヒンジ部とリンク部の形状などを如何にすれば高拡大率が得られるかを,主として有限要素法による計算によって明らかにした.さらに,計算機シミュレーションと実験によって機構の運動を詳細に調査して静的・動的特性を明らかにした.具体的な手法としては,まず,新規機構試作のため,主としてFEM解析を行い,ヒンジ形状,リンク形状,設定位置,材質等に対する系統的なデータを蓄積し,高拡大率を得るための1自由度機構の構造設計を行った.その結果,複数の弾性ヒンジ同士の相対的位置関係を適切に決定すれば,変形時にヒンジ内に生じる内部応力を低減させ,大きな出力変位量が得られることを明らかにした.逆に,各弾性ヒンジの配置と形状が適切でなければ,希望する変位拡大率が得られないことも示された.さらに,FEM解析により得られた設計に基づき,1自由度で駆動するための実験を試作し,機会の静特性,動特性を実験的に調査した.その結果,アクチュエータからの変位入力が11μmに対して出力変位が約350μmが得られ,約32倍の高拡大率が得られた.これはFEM解析で予想した結果にほぼ一致しており,設計の有効性を確認できた.本機構の寸法を大きくすればさらに大きな拡大率を得ることができるが,コンパクトな寸法で高い拡大率を実現させることができた.
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[Publications] N.Henmi, M.Ohashi, S.Anzai and M.Tanaka: "A Study on Flexure Hinge Mechanism to Amplify Displacement of Piezoelectric Actuator"Proceedings of the Second Magneto-Electronics International Symposium. 283-286 (1999)
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[Publications] 辺見信彦,森 有史,大橋正季,田中道彦: "圧電アクチュエータ用変位拡大機構の研究"第12回「電磁力関連のダイナミックスシンポジウム」講演論文集. (発表予定). (2000)