2000 Fiscal Year Annual Research Report
超音速空気流シミュレーションを用いたインターレース加工工程の改良および最適化
Project/Area Number |
11650167
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Research Institution | Fukui University |
Principal Investigator |
家元 良幸 福井大学, 工学部, 教授 (60020244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田上 秀一 福井大学, 工学部, 講師 (40274500)
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Keywords | 糸 / インターレース糸 / 空気加工 / インターレース加工 / 超音速流 / TVDスキーム / シミュレーション / 画像解析 |
Research Abstract |
本年度は、まず昨年度開発したTVDスキームによるプログラムを用いて、正方形管の寸法が空気流に及ぼす影響を検討した。糸道管幅と空気噴射ノズル幅との寸法比が大きいほど、開繊部の生成位置とされている空気噴射ノズル上方の流速が大きくなることが確認され、その条件では糸の運動が促進されてインターレース糸が生成しやすくなることが推察された。円管を組み合わせたインターレーサ内空気流解析については、条件により収束解が得られず、本年度中での検討はできなかったが、プログラムの改良・開発を続けている。 次に、インターレーサ内において糸を構成するフィラメントに空気流が及ぼす力を調べる第一段階として、ピアノ線の円柱を糸と見立て、自由噴流中に置かれた円柱に作用する抵抗を測定した。抵抗は半径方向に減少し、軸方向には周期的に増減すること、抵抗分布が自由噴流の全圧分布と類似していることが確認できた。 また、インターレーサ内での糸の運動を明らかにする基礎研究として、ポリウレタンモノフィラメントを3本引き揃えた糸を糸道管内に固定し、瞬間的に空気を吹きつけることでインターレース加工をモデル化した。そして、高速度カメラを用いて、インターレース糸の生成過程をビデオ撮影し、糸の運動についてコンピュータによる画像解析を行った。糸は噴流出口より遠い位置で長く存在すること、交絡は空気噴射の影響を受けにくい場所で生成することなどが確認できた。 以上の検討より、糸道管の断面寸法は空気噴射ノズルの断面寸法よりも大きくする、空気噴射ノズル出口上方の流速や圧力に注目する、などといった最適インターレーサの設計の指針が示された。以上の成果をふまえ、今後は計算や実験のケーススタディを重ねることで設計に必要なデータベースを蓄積するとともに、空気流に糸が存在する場合についてのシミュレーションを行うための解析モデルの構築を予定している。
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[Publications] Yoshiyuki Iemoto, et al.: "Size Effect of Interlacer Part 2 : Pressure Distribution of Air Flow in Interlacers"Journal of Textile Engineering. 46・1. 11-19 (2000)
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[Publications] 山本早俊,家元良幸,田上秀一: "インターレーサ内空気流の数値シミュレーション"日本繊維機械学会第53回年次大会研究発表論文集. 176-177 (2000)
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[Publications] 山本早俊,家元良幸,田上秀一: "インターレーサ内空気流の数値シミュレーション(寸法効果)"日本繊維機械学会北陸支部研究発表会並びに特別講演会講演要旨集. 23-24 (2000)
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[Publications] 中澤千波,家元良幸,田上秀一: "高速空気噴流による円柱抵抗"日本繊維機械学会北陸支部研究発表会並びに特別講演会講演要旨集. 25-26 (2000)
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[Publications] 横田和光,家元良幸,田上秀一: "モデル実験によるインターレース糸生成過程の画像解析"日本繊維機械学会北陸支部研究発表会並びに特別講演会講演要旨集. 27-28 (2000)