2000 Fiscal Year Annual Research Report
包括的検証に基づく応力方程式モデルの構築に関する研究
Project/Area Number |
11650169
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
島 信行 静岡大学, 工学部, 教授 (40119128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 正芳 静岡大学, 工学部, 助手 (90293604)
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Keywords | 乱流モデル / 応力方程式モデル / 低レイノルズ数型乱流モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は、研究代表者(島)が1997年に提案した、壁面反射再分配項を排除した応力方程式モデルをベースとして、多種多様な乱流を包括的に予測できる乱流モデルを構築することである。従来の多くの研究とは異なり、選択した多種の基本的性格を有する乱流を対象として、モデリングと検証計算を繰り返し、その結果として一般性の高い実用モデルを構築することを目指した。 今年度においては、円管内旋回乱流の新たな1ケースに対して97年モデルの検証を行った。モデルが与える旋回の減衰は実験データに比してやや遅いという結果を受けて、応力の実質微分に関わる再分配項(UMISTグループ)を導入し、予測に一定の改善が見られることを確認した。さらに、同心環内乱流、三次元乱流境界層において、97年モデルを用いた予測計算を実行した。同心環内流については、モデルはLESと実験のデータをよく再現し、特に、内壁近傍の速度分布が通常の対数則の下方にシフトするという挙動を捉えた。三次元境界層に関しては、壁面反射項を含むモデルによる予測と同等の良好な結果が得られることを明らかにした。 スパン方向軸まわりに回転するチャネル内流れに対する97年モデルによる予測は、昨年度に実行された。それによると、モデルは系回転の効果を基本的に捉えるものの、高回転になると過度に小さい流量を与えることが明らかこなった。本年度においては、その原因を追求し、散逸率方程式に低レイノルズ数効果を導入することにより、モデルの難点を克服した。 統合的なモデルの構築は未完であるが、2年にわたる研究の結果、得られた知見をベースにして、現在、推進中である。
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[Publications] N.Shima: "Prediction of Wall-Bounded Turbulent Flows with Blowing and Suction"JSME International Journal. Vol.42,No.4. 626-633 (1999)
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[Publications] N.Shima: "Prediction of Streamline Curvature Effects on Wall-Bounded Turbulent Flows"International Journal of Heat and Fluid Flow. Vol.21,No.5. 614-619 (2000)