2000 Fiscal Year Annual Research Report
生物飛行における飛行組織体の高次機能による流動制御のメカニズム
Project/Area Number |
11650187
|
Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
須藤 誠一 いわき明星大学, 理工学部, 教授 (90006198)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
露木 浩二 いわき明星大学, 理工学部, 助手 (00265224)
井小萩 利明 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (90091652)
|
Keywords | バイオメカニクス / バイオエンジニアリング / 生物流体力学 / 生体工学 / 航空工学 / 流体力学 |
Research Abstract |
著者らは,これまで昆虫や鳥類の飛行機能に着目し,飛行機能の比較的優れているトンボやハトに関して航空力学的な研究を進めてきた。それらの研究は比較的巨視的観点から力学を考察したものであった。しかし,走査型電子顕微鏡観察を続けてきた結果,微視的観点から生物の飛翔器官に共通する不思議な形態構造を見い出した。それらは,生物の種類やサイズによって微妙に異なり,飛行機構と密接に関連して高次の領域で生物の飛行機能を大きく高めているように推察された。そこで当該研究の目的は以上の状況を踏まえて,ミクロな構造組織体がマクロな空気力学的な法則および材料力学的な法則とどのように関連しているかを調べ,生物の持っている流動制御のメカニズムを明らかにしようとするものである。 平成12年度の実施においては前年度に電子顕微鏡や3次元形状計測装置によって調べた双翅目昆虫であるヤマトヤブカやハエなどと比較して,少しサイズの大きいトンボの前翅を取りあげ精密3次元曲面形状計測装置によって翅表面の凹凸をサブミクロンのオーダーで調べ,さらにシオカラトンボの前翅のまわりの流れ場を3次元PIV計測システムを用いて計測し,3次元的に速度ベクトルの分布や流線などを求めた。それら昆虫の飛翔器官における実験結果を鳥類(セキセイインコ)の風切り羽などの特性と比較して昆虫の翅と鳥類の羽の持つ類似性と相違について比較検討を行い,航空力学的な相違や材料力学的な観点から流動制御のメカニズムを考察した。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] S.Sudo,Y.Ito,H.Nishiyama: "Frequency Characteristics of Pigeon Flight Feather"Proc.of SEM IX International Congress on Experimental Mechanics. 213-216 (2000)
-
[Publications] S.Sudo,K.Tsuyuki,Y.Ito: "On the Functional Design of a Dragonfly Wing"Proc.of 1st Int.Symp.on Aqua Bio-Mechanisms. 233-238 (2000)
-
[Publications] S.Sudo,K.Tsuyuki,T.Ikohagi: "A Comparison between Diptera Wings and Flight Feathers"Proc.of Int.Symp.on Aqua Bio-Mechanisms. 245-250 (2000)
-
[Publications] S.Sudo,K.Tsuyuki and J.Tani: "Wing Morphology of Some Insects"JSME Int.J.. Vol.43. 895-900 (2000)