1999 Fiscal Year Annual Research Report
後向きステップを有するチャネル乱流の能動的・受動的制御に関する研究
Project/Area Number |
11650188
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐野 正利 千葉工業大学, 工学部, 教授 (20117708)
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Keywords | 乱流 / 後向きステップ / チャネル流 / 流れの制御 / 圧力特性 / 伝熱特性 |
Research Abstract |
後向きステップ流れは伝熱促進の手段として有効な流れ場であり、ステップ入口ではく離したせん断流れは下流で再付着し、その近傍で熱伝達率は高い値を有することが知られている。しかしながら、ステップ下流の再循環領域では低い熱伝達率となってしまうことから、この領域での伝熱特性を向上させることが可能となれば、エネルギーの有効利用にも多大な貢献をすることになる。本研究では、後向きステップ流れの能動的・受動的制御について検討した。能動的制御に関しては再循環領域の低運動量の流体を吸い込む、あるいは再循環領域内に高速流体を吹き込む制御法について、受動的制御に関しては、ステップ上流にスリットを設け、このスリットから高速流体を再循環領域に導くという方法について調査した。特に、本年度は受動的制御の場合について重点をおき、ステップ上流の高速流体を導くためのスリットの幅、角度等を種々変化させた条件のもとで、制御を行わない場合と行った場合とで圧力損失特性、伝熱特性ならびに流路内の流動状況がどのように変化するのかについて実験的に調査した。スリットの幅については2mm〜12mmの範囲で変化させ、角度については30°と45°の場合について検討した。その結果、本研究で提案する受動的制御により、再循環領域の熱伝達率を飛躍的に高めることができることが判明した。特に、角度が30°の場合ではスリットの幅が8mm程度で、角度が45°の場合ではスリットの幅が6mm程度において最も大きな性能向上が見られた。また、スリットを設けることにより、ステップ下流の側壁面近くにおける逆流は完全に消滅し、ステップ上流から導かれた高速流体が壁面に沿って流れることが確認された。
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