1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650190
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小尾 晋之介 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (80233609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益田 重明 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051664)
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Keywords | 瞬時の圧力場 / 乱流はく離 / 粒子画像流速計 / ハイブリッド処理 / 圧力拡散 / 乱流モデル |
Research Abstract |
本研究は瞬時の速度場データを基にして圧力分布を算出することにより,従来は定量的な評価が極めて困難であった圧力変動と速度変動の相関を求め,乱流場における圧力変動を媒介とする輸送機構を解明することを目的としている.圧力場の算出は,離散化された圧力のPoisson方程式の数値解析による方法を採用したが,その際,粒子画像流速計(PIV)により実測した速度場情報を代入することで,実験と数値解析の有機的な結合によるハイブリッド手法を新たに提唱した. 技術的に根源的な課題として,今年度は以下の2点を取り上げ検討した: ・PIVの速度場情報か平面に限られるため,解析するPoisson方程式も2次元に近似せざるを得ない ・Poisson方程式は楕円型であるので,解析領域の全境界にわたって境界条件を定めなければならない 第1の問題を軽減するために,対象とする流れ場に2次元性の強い角柱後流ながれを取り上げ,計測と解析を行った.その結果,角柱の後流に放出される,角柱と同程度の規模を持つ渦構造と圧力分布との間に,おおむね妥当な対応関係を見出すことができた.また,第2の問題については,周囲境界で圧力の値を規定するDirichlet条件と圧力勾配を規定するNeumann条件の2種類について検討したところ,Neumann条件に工夫を加えた場合の方が圧力変動の強さがより妥当に評価できることを確認した. 以上の検討を基に,乱流エネルギの輪送方程式における各項のバランスを評価した,乱流エネルギの生成は角柱の縁の急激な変形が起こる領域で大きいが,その直後の領域には,圧力拡散と乱流拡散の相互作用によって乱流エネルギが輪送されいる様子を捉えることができた.このことから,圧力拡散項の計測に見とおしを立てることができた.
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