2001 Fiscal Year Annual Research Report
非定常首飾渦の時空間構造の動画像解析と制御に関する研究
Project/Area Number |
11650196
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Research Institution | Tokuyama College of Technology |
Principal Investigator |
山田 英巳 徳山工業高等専門学校, 機械電気工学科, 教授 (00116766)
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Keywords | 三次元流場 / 首飾渦構造 / 流れの可視化 / 画像処理 |
Research Abstract |
本研究は、境界層を伴う平面壁と十分長い円柱・角柱などの柱状物体とが垂直に接合する三次元流場において生成する首飾渦の構造およびそのレイノルズ数や境界層条件に対する変化を、流れの可視化およびその画像解析により明らかにすることを目的としている。 実験では、円柱直径を2種類、境界層厚さを3種類に変化させて、レイノルズ数をRe=300から2300の範囲で生成する首飾渦の可視化を行った。ただ層流境界層中への粒子の分散が困難であったので、可視化の大半を注入流脈法に頼らざるをえなかった。 平面壁に円柱が接合する場合,円柱レイノルズ数がRe=500程度で首飾渦は層流状態のまま1渦系から3渦系に変化する。さらにRe=2000程度で層流の3渦系から5渦系へと変化するが、このとき首飾渦が僅かに変動し始めことが分かった。この変動が流速の増加に伴う境界層遷移による変動に誘発されたものか、5渦系の首飾渦自身の不安定から生じるものであるのかどうかは現在の実験範囲からは明らかにできなかった。このような非定常性の発生原因については今後の研究課題と考えられる。なお円柱周りに生成した首飾渦が円柱周りの流れ特性にどの程度の効果を及ぼしているのかを風洞実験にて調べた結果、平面壁上の境界層が不規則性を有する遷移境界層の場合、円柱背面の圧力が軸方向に大きく変化し、抗力が大幅に低下することが分った。(これについては機械学会で発表した。)また首飾渦のスケールアップを図り、その詳細な挙動が把握するため、角柱および短い平板が平面壁に垂直に接合する場合についての可視化を行った。角柱の場合、レイノルズ数が増加すると首飾渦の主渦が周期的に形成され、渦パターンが周期的に変化することを見出した。また短い平板の場合には首飾渦の形成位置および生成する渦系が平板のアスペクト比に強く依存すること等が明らかとなった。
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