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1999 Fiscal Year Annual Research Report

乱流状態下の血液の流体工学的特性に関する研究

Research Project

Project/Area Number 11650199
Research InstitutionNational Cardiovascular Center Research Institute

Principal Investigator

築谷 朋典  国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (00311449)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 妙中 義之  国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 部長 (00142183)
巽 英介  国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (00216996)
Keywords血液流 / 非ニュートン流 / 乱流摩擦抵抗 / 人工心臓 / 流量計測 / 動粘度
Research Abstract

人工心臓を含むシステムの圧・流量関係は要素形状のみならず血液の物性にも依存するため,血液の流動物性に関する情報が必要であるが,このような観点からの乱流状態における血液流動の資料は少なく血球成分の影響に注目した基礎研究が必要である.本年度は基本的な流れとして円管内流れを対象とし,乱流状態の摩擦損失量をニュートン流体と血液で比較した.血液の粘度は多くの因子の影響をうけるが,もっとも大きな因子である赤血球の体積濃度(ヘマトクリット)の影響を検討するため、同一の山羊から取った血液を血漿分離後再混合して濃度を段階的に調節して計測を行った.その結果、山羊血液の粘度をCassonの式により定義した場合,ニュートン流体よりも円管内乱流の圧力損失がわずかながら低減すること,さらに,その低減の程度は血球濃度には依存せずほぼ一定であることを示した.この結果から,ニュートン流体と比較した場合圧力損失が低減する原因は赤血球のみでなく,血漿中の蛋白をはじめとする血漿成分である可能性が示唆された.そこで,乱流状態における摩擦抵抗現象が血漿中の血漿蛋白にも起因する可能性を明らかにするために,比較的成分比の高い血漿蛋白であるアルブミンならびにγグロブリンの希薄水溶液を用いて,円管内乱流抵抗を計測し,ニュートン流体と比較した.アルブミンについては,本研究における濃度では,計測を行った全範囲において,生理食塩水と比較して粘度もほとんど変化しておらず,圧力損失の変化はほとんど見られなかった.一方,γグロブリンでは生理食塩水に対して,粘度が上昇しているにも関わらず有次元における圧力損失は変化がなく,その結果として管摩擦係数が減少した.長鎖状高分子には希薄溶液の状態で乱流摩擦損失を低減する効果(トムズ効果)をもつものが存在するが、血漿蛋白の高分子が単独でこのような効果をもつ可能性が示唆された.

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Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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