2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650233
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
角田 敏一 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (70034402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬川 大資 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (00264804)
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Keywords | 燃料液滴 / 伝播火炎 / 着火 / 揮発性 / 単一液滴 / 液滴列 / 二成分燃料 |
Research Abstract |
燃料蒸気-空気混合気中を伝播する火炎による燃料液滴の着火,両者の干渉現象に対して理解を深めるため,本研究では,定圧に保たれる燃焼容器内に充填された希薄混合気中を伝播する火炎が燃料液滴および液滴列を通過する際の,液滴の着火および燃焼挙動について検討した. 平成11年度は液滴初期直径,燃料の性状,液滴列の間隔を実験パラメータとして,二液滴列の着火および伝播火炎と液滴火炎の相互作用の様子を観測し,伝播火炎が標準沸点の低い(揮発性の高い)直鎖炭化水素燃料の液滴を通過する場合は,火炎がその伝播方向に凸状に変形し,液滴列の二番目の液滴(伝播火炎が後に通過する液滴)の着火遅れが,一番目の液滴(伝播火炎が先に通過する液滴)の着火遅れよりも短くなること,このとき二番目の液滴の着火遅れは液滴間隔の変化とともに極小値を示すこと,標準沸点の高い燃料液滴の場合は伝播火炎が変形しないこと,などを明らかにした. 平成12年度は,単一液滴が標準沸点の異なる炭化水素燃料2種類の混合物であった場合について,その液滴初期直径および燃料の混合比率を実験パラメータとして,液滴の着火および伝播火炎と液滴火炎の相互作用の様子を観測した.その結果,液滴初期直径の増大とともに着火遅れは極大値と極小値を示すこと,低沸点成分の混合比率が上昇するとともに着火遅れが極値を示す液滴初期直径は小さくなること,低沸点成分の混合比率上昇とともに着火遅れは急激に小さくなること,などを明らかにした.また,低沸点成分のみの場合と同様に,低沸点成分を含む混合燃料液滴を通過した部分の伝播火炎は火炎の進行方向へ凸状に変形すること,その凸状変形部の長さは時間の経過とともに増大すること,および低沸点成分の混合比率が上昇すると伝播火炎は速く変形することを明らかにした.
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[Publications] 角田敏一: "層流伝ぱ火炎による二成分燃料液滴の着火"日本機械学会論文集(B編). 66・647. 1879-1884 (2000)
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[Publications] Daisuke SEGAWA: "Ignition of Binary Mixture Droplets by a Propagating Laminar Flame"Proceedings of the Combustion Institute. 28. 961-968 (2000)