2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650236
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Research Institution | CHUO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松本 浩二 中央大学, 理工学部, 教授 (60229549)
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Keywords | 環境負荷低減 / 凍結 / 廃液処理 / 濃縮 / 分離効率 / 壁面氷結防止 / 粒径の制御 |
Research Abstract |
本年度、氷への溶質の取り込みをできるだけ少なくしたうえで、廃液含有の少ない氷の体積をできるだけ増やしていくという方向性を考慮すると、生成される氷粒の大きさをできるだけ大きくすることが重要となっていく。 そこで、生成される氷粒のの大きさに影響を及ぼすことが考えられる物理的因子である、冷却速度、過冷度、攪拌翼径について、その効果について検討した。また、分離効率の低下を引き起こす壁面氷結を抑制する効果が期待されるシランカップリング剤についても検討した。さらに、容器材質(銅、ステンレス)についての分離効率についても検討した。実験装置は昨年度と同様、円筒型凍結容器を使用し、冷却面としては、銅管及びステンレス管を使用した。廃液には、昨年度同様10vol%のエチレングリコール水溶液1000mlを使用した。 先ず、冷却速度については、冷却速度が小さいほど、生成される氷径は大きいことが確認された。その結果、分離された氷の量はエチレングリコールの相平衡図から算出された値に近く、氷への溶質の取り込みが最も小さかったと思われる。一方、過冷度が小さくなるほど、または攪拌翼が大きくなるほど、氷粒の径が大きくなること確認された。しかし、顕著な分離効率の向上は確認できなかった。また、翼径の違いによって氷の粒形状に変化が生じ、翼径が大きいほど氷の粒はフレーク状のものになった。 また、シランカップリング剤の添加によって、ブライン温度が低い場合は、壁面氷結防止の効果が顕著であった。なお、ブライン温度に関わらず、シランカップリング剤の添加によって、生成された氷粒の状態に変化が見られた。また、容器材質の影響であるが、銅とステンレスではその熱伝導率の大きな相違から、ステンレスの場合のほうが冷却速度が小さくなり、より分離効率の向上が見られた。
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