1999 Fiscal Year Annual Research Report
局所的な圧延を利用した薄板構造物の振動特性の最適化
Project/Area Number |
11650248
|
Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
鞍谷 文保 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (00294265)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野 惟夫 兵庫教育大学, 学校教育部, 教授 (90304138)
|
Keywords | 振動特性 / 薄板構造物 / 圧延 / 最適化問題 / 有限要素法 / 丸のこ |
Research Abstract |
本研究は,平板や円板などの薄板構造物の振動特性を改善する方法として局所的な圧延を利用し,その圧延条件の最適値を探索する方法を開発することである。そのために(1)圧延された薄板構造物の振動特性の解析方法,(2)最適化手法による圧延条件(圧延位置,圧延量など)の探索法について検討した。 ます,局所的に圧延された薄板構造物の振動特性を有限要素法で解析する方法について検討した。検討した方法は,圧延により生じる残留応力を直接に解析するのではなく,圧延を温度荷重に置き換え熱応力解析で等価な残留応力を求める方法で,解析負荷が小さく最適化計算に適する。検討の中で,実際に平板を局所的に圧延し,その時の振動特性の変化を有限要素法と実験モード解析で求め,その結果を比較することで有限要素法による解析方法の妥当性を確認した。また圧延条件により振動特性の変化が異なり,同じ条件でも振動モードごとに振動特性の変化が異なったので,その理由を圧延により生じる応力の分布状態と振動特性の関係をもとに明らかにした。さらに,薄板円板状の工具である丸のこの回転時の最小共振振動数を最大化する圧延条件(圧延位置と圧延量)の探索法を提案し,数値計算を行った。その結果,丸のこの回転数により最適な圧延条件が異なる,特に最適な圧延位置は丸のこの回転数が高くなるにともない外周側から内周側に移動することがわかった。 本年度で検討した範囲では,圧延された薄板構造物の振動特性を有限要素法で解析する場合,熱応力解析と固有値解析が必要で,まだ計算負荷が大きい。また,圧延条件の探索においても,圧延位置と圧延量の組が1つの場合でも収束までに多くの反復計算を必要とした。そこで平成12年度では(1)圧延後の振動特性の変化をより簡易に推定する方法,(2)多数の圧延位置と圧延量の組を設定しても収束が速い探索法を開発する。
|