2000 Fiscal Year Annual Research Report
コロナ放電によるよどみ流れ場に置かれた弦の自励的横振動
Project/Area Number |
11650253
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉沢 正紹 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10095664)
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Keywords | 線対平板電極系 / 線電極 / 自励的横振動 / コロナ風 / 渦の形成と不安定化 / PIV / 数値計算 / 非導電性の弦 |
Research Abstract |
コロナ放電に伴う線電極の自励的横振動の発生メカニズムの解明を目指して,本研究では,線対平板電極系において固定線電極からのコロナ放電により形成される低レイノルズ数のよどみ流れに着目した. 第一に,固定線電極直下流側に置かれた非導電性の弦に,自励的な横振動が発生することを実験により定量的に確認した.すなわち弦の張力を変化させることにより弦の横振動の固有振動数を変動させ実験を行った結果,いずれの場合に対しても弦は単一の固有振動数で横振動する,またコロナ放電発生時に印加電圧が低い範囲では,平板電極に平行な横振動が発生する,これらより,非導電性の弦は,コロナ放電に伴うその周囲のよどみ流れ,つまりコロナ風による流体力に起因して,自励的横振動が励起されたものと推定される. 第二に,固定線電極周囲のよどみ流れ場の非定常性を定量的に調べるため,よどみ流れ場全体の様相をParticle Image Velocimeter(PIV)により計測し,固定線電極近傍の一点における流れの時間的変動を二次元レーザードップラー流速計(LDV)により測定した.その結果,線電極と平板電極との間には,線電極の左右に対称な渦が形成され,印加電圧の上昇と共に不安定となり,水平方向に周期的な揺らぎが発生することが明らかになった、さらにこの対称渦の形成と周期的な揺らぎの発生は,二次元流れ場を記述するナビア・ストークス方程式をMAC法により数値的に解くことにより,理論的にも再現された. 以上,本研究では,コロナ放電によるよどみ流れ場に置かれた非導電性の弦は,コロナ風による流体力に起因して自励的横振動を起こし,流体力は線電極と平板電極との間に発生する左右対称な渦の不安定化によることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)