1999 Fiscal Year Annual Research Report
三次元任意形状閉空間内の音場に対する解析解による実用的解析法の開発
Project/Area Number |
11650255
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
浦田 喜彦 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (60024329)
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Keywords | ヘルムホルツ方程式 / 三次元 / 任意形状 / 極座標 / 選点法 / 節点配置 / 精度 / 能率 |
Research Abstract |
本研究は任意形状空間内の三次元音場を支配するヘルムホルツ方程式をを選点法という単純な方法で解析できるようにすることを目的とする.この方法は場の方程式を満たす関数列の係数を境界上のみに配置した点だけで境界条件を満たすように決めるというのが基本的考えで,計算規模が小さい割に精度がきわめてよいのが特長である.本年度は三次元極座標系で表した一般解を用いて検討した.この一般解の各項は球ベッセル関数,ルジャンドル陪関数,三角関数で表される.まず凸形の基本的形状の空間から検討を始めたが,節点配置に二次元とは異なる注意が必要なことが明らかになった.このような注意をしたうえでの計算結果を境界条件の満足のされ方によって評価したところ,直方体や円柱など厳密解が得られる形状では9桁程度,楕円体など角(かど)のない形状では6桁程度,台形体など直角以外の角を持つ形状では3桁程度の精度が確保されるることが確認できた.この結果は近似計算法としては十分に意味を持つ精度であり,方法の簡便sと比べると非常によい結果であると考える.境界条件としてはポテンシャルあるいは粒子速度の法線成分がゼロの基本的な場合だけを扱ったが,場に減衰(媒質の粘性)がなければ壁面インピーダンスが任意に与えられた場合に対しても容易に拡張できるので平成12年度で検討を継続したい.また,計算結果を実験と比較する予定であったが,科研費配分の決定が遅い時期であったので装置の作成など実験の準備を終えたにとどまった.これも次年度に継続して検討を行う.なお,本年度は前述したように極座標表現をおもに検討したが,円柱座標などの方がよい場合があることも予想されるので引き続き検討した.
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