2000 Fiscal Year Annual Research Report
三次元任意形状閉空間内の音場に対する解析解による実用的解析法の開発
Project/Area Number |
11650255
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
浦田 喜彦 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (60024329)
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Keywords | 閉空間 / 音場 / 解析解 / 選点法 / 任意形状 / 精度 |
Research Abstract |
本研究は任意形状空間内の三次元音場を選点法という単純な方法で解析できるようにすることを目的として行なった.各項が球ベッセル関数,ルジャンドル陪関数,三角関数で表される三次元極座標系で表した一般解に選点法を適用した.検討対象は様々な形状の回転対称空間,厳密解との比較が容易な円柱と直方体,楕円体,稜に丸みをつけた箱形領域,および台形体領域である.回転対称領域での結果で特徴的なのは断面にかなり鋭い凹部があっても選点法によって良好な結果が得られる場合があることである.平面問題では鋭い切欠きを持つ形状では理論上も収束しないことが明らかであるが,これと著しい対比をなす.円柱,直方体では200〜400節点で100次程度まで誤差が10^<-8>程度と非常に精度の高い固有値が得られ,領域表面上の境界条件の誤差を計算したところこちらも10^<-8>程度であった.楕円体については固有値の厳密解を求めるのは容易でないので固有値の誤差評価は直接にはできなかったが,領域表面上の境界条件の誤差は計算できるのでそれによって検討したところ,この場合も10^<-8>程度に収まっていた.したがって楕円体の固有値の誤差も10^<-8>程度であると推測される.固有モードから見てもいずれの場合もきわめて妥当性の高い結果が得られていた.形状に任意性が強まる稜に丸みをつけた箱形領域,台形体領域では精度がやや劣化はするが,境界条件の誤差は局所的に1%を越える場合が見られたものの,おおむね0.1%台を確保できていた.高次モードになっても誤差の程度に大きな変化はない.台形体については音による実験も行なったが,固有振動数は70次以上まで3桁程度一致し,固有モードの一致もきわめてよかった. これまでの結果は非常に良好であったと総括できるが,今後はさらに形状の任意性や境界条件の多様性について適応するように方法の改善を進めていく予定である.
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