1999 Fiscal Year Annual Research Report
高調波瞬時無効電力に着目したサーボモータのロータ位置センサレス制御に関する研究
Project/Area Number |
11650281
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
野口 敏彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (10237828)
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Keywords | サーボモータ / ロータ位置センサレス制御 / 高調波 / 瞬時無効電力 / 永久磁石 / 突極性 / ロバスト制御 / フェーズロックトループ |
Research Abstract |
本研究課題は,永久磁石形ACサーボモータのロータ位置センサレス制御法を制御理論的に新規構築するとともに,計算機シミュレーションや実験を通じてその制御特性を検証し,構築した制御理論の妥当性を確認することを目的とする。これに対し,本年度の研究実績として以下の成果が得られた。 1 理論展開の妥当性検討 特定の高調波電圧ベクトルおよび電流ベクトルをフィルタリングし,推定同期(d-q)座標上でそれらの外積演算を行うことにより高調波瞬時無効電力が求められることを解析的に明らかにした。このとき,高調波瞬時無効電力の位相情報にロータ位置推定誤差が含まれ,その位相情報のみを抽出すれば全てのモータパラメータや運転条件に依存せずロータ位置の推定が可能であるという新たな知見が得られた。この位相情報のみを抽出するためにフェイズロックトループ技術を応用した手法を発案し,ロータ位置推定が実現できることを示した。 2 シミュレーションによる予備検証 周波数500Hz,定格電流比振幅5%の高調波電流ベクトルを注入し,高調波瞬時無効電力の位相情報がロータ位置推定誤差と強い相関があることを確認した。また,この位相情報をシミュレーション上でフェーズロックトループに入力することによりロータ位置推定値が得られ,サーボモータの速度制御やベクトル制御に利用できることを確認した。さらに,モータパラメータ(巻線抵抗,d軸インダクタンス,q軸インダクタンス,主磁束)のいずれが,公称値から25%変動したとしても位置推定誤差は2deg以内になることが明らかとなった。 3 プロトタイプの設計・試作 現在,第1段階の実証試験を行うため,離散化誤差や量子化誤差といったディジタル制御固有の問題がないアナログ回路で設計を行っており,主電力回路・ゲートドライブ回路・制御回路等の詳細設計がほぼ完了した。
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