1999 Fiscal Year Annual Research Report
固体高分子燃料電池の電流密度分布解析と過渡応答解析の研究
Project/Area Number |
11650283
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
恩田 和夫 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50281077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 衡平 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10283491)
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Keywords | 固体高分子 / 燃料電池 / 電流密度分布 / 過渡応答 / 発電特性解析 / 非定常解析 |
Research Abstract |
1,電流密度分布の測定と解析 燃料電池セルの流れ方向の電流分布を測定するため、燃料側は並列流路を酸化剤側は水捌けを良くするため直列-流路を持つセルで、酸化剤側電極を分割し、それぞれに分流抵抗を接続し、電流分布を測定した。分割電極の膜・電極接合体への当たりが一様でなかったためか、流れ方向に電流分布は下がらず、出入り口で電流が低い分布が得られた。この傾向は集電極を分割した方が大きかった。分割した電極や集電極を考慮した解析では、非分割電極と同じ出口に一様に低下する電流分布が得られ、集電極の分割電極間の短絡は問題にならないことを確認した。故に、実験では個々の分割電極の接触抵抗が流れ方向に一様でなかったと考察し、電流分布のばらつきの少ない非分割集電極で実験を続けることとした。 2,過渡応答の測定と解析 非分割電極セルと分割電極セルにおいて、燃料や酸化剤を一定流量流しておき0.1ms以内で制御する電子負荷装置で負荷電流を急変させると、分割電極も含めて電極電位は数十msの早い時間で応答した。この応答時間は、交流インピーダンス法などで測定される電気二重層や反応抵抗などによる等価回路の応答時間と一致した。燃料利用率を50%から100%とする負荷電流変化では、最初一様に流れていた電流は数分でセル上流側電極に集中し、下流側電極には電流が流れなくなり、セル電位も大きく低下した。この応答時間は燃料が対流・拡散する流体時間に対応する。一方、負荷電流が変化する時の過電圧による発熱変化はセルの熱容量や活物質の対流で決まる数分の熱応答時間に表れることが、セル温度や活物質の出口温度を測定して判明した。これらの実験結果を元に、膜の湿潤状態を記述する式も含めた非定常解析を検討し始め、膜性状を明らかにして解析するため、高分子膜の電気浸透係数なども計測し始めた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 角谷俊次: "リチウムイオン二次電池や固体高分子燃料電池、固体高分子水電解に対する超音波照射効果"電気学会論文誌B編119-B巻5号. 119-B・5. 635-636 (1999)
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[Publications] 村上敏夫: "固体高分子水電解セルの電流密度分布の測定と数値解析"電気学会論文誌B編. 120-B・2. 256-263 (2000)
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[Publications] 富家俊光: "固体高分子燃料電池の電流密度測定と解析"第6回燃料電池シンポジウム. 54-59 (1999)
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[Publications] 恩田和夫: "燃料電池・二次電池の高性能化に関わる燃流体問題"日本機械学会熱工学講演会. 61-62 (1999)
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[Publications] 岩田三徳: "固体高分子燃料電池の電流・温度分布解析と電流分布測定"第40回電池討論会. 163-164 (1999)
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[Publications] 村上敏夫: "固体高分子水電解セルの数値解析と電流密度分布と過電圧の測定"第40回電池討論会. 165-166 (1999)