1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650285
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
竹野 裕正 神戸大学, 工学部, 助手 (90216929)
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Keywords | レーザ誘雷 / レーザ光生成プラズマ / 紫外線電離 |
Research Abstract |
レーザ誘雷の実用化のための一課題として,複数塊の誘雷用レーザ光生成プラズマの連結過程を解析するべく,基礎研究を行なった.2年計画の初年度として,実験装置の整備と準備実験,そして数値計算コードの作成を行なった.交付申請書に記載した予定に従って研究を進めた. 1)絶縁材を標的としてレーザ光プラズマ生成を行ない,生成プラズマを光学的に観測した.プラズマの発光強度は,高密度のプラズマが生成されていることを窺わせた.しかしながら,スペクトル解析によって電子密度を見積もったところ,微水滴を標的としたものに比べてより高密度ではあるが,その差は大きくなかった.また,アクリルと塩化ビニルとを比較したが,これらの差も大きくはなかった. 2)2種のレーザ光を重畳照射する実験に向けて,設備備品としてYAGレーザを新規に導入した.準備実験として,紫外線レーザであるYAGレーザの4倍波を単独で照射した場合の電離の様子を調べた.電界を印加して荷電粒子密度を測定し,結果を他の報告と比較した.荷電粒子密度の生成には明白な波長依存性が確認できた.この結果は,現在考えられている電離過程では十分に説明ができない.紫外線レーザによる荷電粒子生成の物理過程については再討検が必要とされる.2種のレーザ光の重畳の予備実験も行なったが,まだ重畳の効果の確認には至っていない. 3)外部電界を印加した場合のプラズマのシースの挙動について数値解析を行なった.一次元の連続の式,運動方程式,ポワソンの式を差分法に基づいて解くコードを作成した.境界条件に応じてシースの電位構造に差が確認できたが,まだ境界の扱いが十分でないと予想される. 以上,予定した研究内容は消化しつつあるが,得られた結果は予想と異なるものが多い.基礎研究であるのでやむを得ないが,改善のための足掛かりも得ているので,来年度も予定通り研究を継続する.
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