1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650296
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
遠藤 正雄 中央大学, 理工学部, 教授 (60055126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊理 正夫 中央大学, 理工学部, 教授 (40010722)
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Keywords | 沿面放電 / 非線形拡散方程式 / 進展条件 / 先端電位 |
Research Abstract |
本研究は沿面放電の背後電極を刃型にすることによって直線状に伸びる放電を実現し、その特性を調べてきた。進展モデルを作り理論的検討を行ってきた。その特徴は放電進展現象を導電性円柱形の放電路の先端部が周囲のガスを気相からプラズマ相に変換しながら一定方向に高速度で進展するいわゆる相転移問題としてモデル化し、進展条件式を導入したことである。今までに明らかになった事項は次の通りである。 1.放電路中では非線形拡散方程式が成り立つ。 2.先端部の境界条件は、電流連続の式と進展条件式である。この2つの条件式から、放電路先端部の電位は一定で進展することが理論的に導かれる。このことは、進展条件式は電流連続の式と先端電位一定の式とから誘導されることを意味する。 3.非線形拡散方程式によると印加重圧V_nと先端電位V_lを与え、電圧、時間のスケール変換を行うと、進展長l_1(t_1)と放電路の電位分布が一意に定まる。 以上の理論的結果および実験結果を用い誘電体の厚さと先端電位の関係を検討した 結論として、放電進展モデルの理論解と実験結果と用いて沿面放電進展時の誘電体の厚さと先端電位の関係について検討した。その結果、誘電体の厚さが25μm〜75μmの範囲では厚さと先端電位はほぼ正比例することが分かった。誘電体の厚さをさらに厚くし、直線状の沿面放電を実現するためには実験装置をスケールアップする必要がある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 遠藤,瀬川,熊田,伊理: "沿面放電進展の相転移的考察"電気学会放電誘電材料合同研究会. ED99-41,DEI99-67. 19-24 (1999)
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[Publications] 伊理,遠藤,瀬川: "沿面放電の進展条件の検討「2」"電気学会放電研究会. ED99-69. 1-5 (1999)
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[Publications] 遠藤,瀬川,伊理: "沿面放電進展の相転移的考察(3)"1999年電気学会基礎・材料・共通部門大会. 117 (1999)
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[Publications] 瀬川,遠藤,伊理,熊田: "沿面放電進展の相転移的考察(4)"1999年電気学会基礎・材料・共通部門大会. 118-123 (1999)
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[Publications] 瀬川,遠藤: "負極性直線状沿面放電における数学モデルの検討"2000年電気学会全国大会. No.1-213. (2000)
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[Publications] 遠藤,瀬川: "誘電体の厚さによる沿面放電の先端電位の変化"2000年電気学会全国大会. No.1-217. (2000)