2000 Fiscal Year Annual Research Report
強い非線形性をもつ磁性流体セミアクティブダンパの実用化に関する研究
Project/Area Number |
11650297
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
中川 聡子 東京電機大学, 工学部, 教授 (70134898)
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Keywords | 磁性流体 / セミアクティブダンパ / 粘性変化 / 非線形制御 / 磁場制御 / 流体の非線形性 |
Research Abstract |
本研究は従来のアクティブダンパの欠点を補う磁性流体封入型セミアクティブダンパの開発を目的としている。磁性流体とは、種々の興味深い特性をもつ機能性流体であるが、本研究では特に磁性流体の外部磁場による粘度変化に注目したシステムの開発を目指している。そのメカニズムは、電磁石電流によって作り出される磁場により、シリンダに注入された磁性流体の粘度を変えることで、等価的に系全体のダンピング特性を制御するというものである。 報告者はこれまで、本装置の強い非線形特性を種々の実験結果よりモデル化し、本年度は特に、磁性流体の非ニュートン性も考慮した基本モデルの修正を行うことが出来た。この修正モデルを基に最新の制御理論による補償器を設計し、シミュレーションによってその効果の検証を行った。その上で、以下の課題について検討を行った。 1.双方向性電流源を用いた制御信号の拡大による制御効果の確認 2.周波数成分の混在する外乱印加時の非線形制御効果の確認 これらに対して、多くの加振実験を行い、従来得られていた制振効果を大きく上まる制振効果を確認することができた。 最終年度に当たる次年度にはより多くの加振実験を行い、本研究提案の装置の有効性を示す予定である。
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[Publications] 中川聡子: "Modelling of a Nonlinear Magnetic Rheological Fluid Semi-active damper"Nonlinear Electromagnetic Systems (IOS press). 379-382 (2000)
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[Publications] 中川聡子: "磁性流体ダンパにおける粘性変化領域に関する一考察"電気学会全国大会予稿集. 5・103. 2062-2062 (2000)
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[Publications] 中川聡子: "磁性流体セミアクティブダンパにおける粘性度変化域拡張"電磁力関連ダイナミクスシンポジウム論文集. 601-604 (2000)
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[Publications] 中川聡子: "磁性流体ダンパの非ニュートン粘性を考慮したモデル化と電流制御"電気学会LD研究会. LD00・130. 13-18 (2000)
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[Publications] 中川聡子: "ハミルトンヤコビ不等式を用いた非線形制御手法(磁性流体セミアクティブダンパの例)"電気学会技術報告. 819. 45-45 (2000)