2000 Fiscal Year Annual Research Report
新エネルギシステムのための系統連系用高性能コンバータの開発
Project/Area Number |
11650300
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
松井 幹彦 東京工芸大学, 工学部・電子情報工学科, 助教授 (30143689)
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Keywords | 新エネルギー / 太陽光発電 / 最大電力点追尾 / MPPT / 系統連系 / EMI / ソフトスイッチング / 半導体電力変換 |
Research Abstract |
平成12年度の研究成果を、以下に項目毎にまとめる。 1.新最大電力点追尾(MPPT)制御方式の開発:太陽電池アレイを昇圧チョッパと電圧形PWMインバータを介して電力系統に連系する最も一般的なシステム構成において、MPPT制御を簡単に行うための実用的な二方式を提案した。1)「システムの電力平衡に基づくMPPT制御方式」では、システム内部の電流制御誤差信号を利用することにより、システムの簡素化(センサレス化)が図れる。本年度はこのシステムで実用上問題となる、安定性と応答性を確保しながらシステム(主回路、制御系)のパラメータを決定する設計手法を電源側の三相、単相方式に対して確立した。成果を電気学会論文誌D分冊に投稿した(3月6日受理)。一方、2)「リミットサイクル動作によるMPPT制御方式」は今回新たに提案した方式で、電力平衡/不平衡の境界で生じる非線形振動を利用することにより探索なしに最大電力点での動作を実現できる。シミュレーションと実験とにより、電源側が三相、単相のいずれの場合でも動作が可能なことを示した。成果を電気学会論文誌D分冊/研究開発レターに投稿した(3月6日受理)。 2.ソフトスイッチングコンバータとその空間ベクトル変調方式の開発:昨年シミュレーションにより妥当性を検証した提案方式をDSPによりオンラインで実行するため、C言語による提案アルゴリズムのプログラミングを行なった。 3.電力品質改善機能を付加するためのシステム提案:受電電圧と受電電流の正弦波化を図り、かつ無停電電源機能を備えたシステムの構成法を検討した。この目的のため、フライホイール式無停電電源装置を購入した。
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[Publications] M.Matsui et al.: "New MPPT Control Scheme Utilizing Power Balance at DC Link Instead of Array Power Detection"IEEJ Proc.of IPEC-Tokyo 2000. Vol.11. 164-169 (2000)
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[Publications] 北野達也 他: "電力平衡に基づく新最大電力点追尾制御方式-システムの応答性に関する一考察-"電気学会産業応用部門大会講演論文集. 325-326 (2000)
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[Publications] 大葉育 他: "高周波リンクソフトスイッチングコンバータの空間ベクトル制御"電気学会産業応用部門大会講演論文集. 651-651 (2000)
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[Publications] 北野達也 他: "太陽光発電システムのための電力平衡に基づく最大電力点追尾制御方式"電気学会半導体電力変換研究会資料. 95-103 (2000)
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[Publications] 北野達也 他: "リミットサイクル動作による簡便な最大電力点追尾制御方式"パワーエレクトロニクス研究会論文誌. Vol.26. 7-12 (2001)
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[Publications] 大葉育 他: "太陽光発電用ソフトスイッチングコンバータの新しい空間ベクトル制御方式"東京工芸大学工学部紀要. Vol.23. 66-75 (2001)
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[Publications] 北野達也 他: "電力平衡に基づく最大電力点追尾制御方式-単相システムの設計法-"平成13年電気学会全国大会講演論文集. 1292-1293 (2001)
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[Publications] 松井幹彦 他: "リミットサイクル動作による簡便な最大電力点追尾制御方式-動作原理と実験的検証-"平成13年電気学会全国大会講演論文集. 1294-1295 (2001)