2001 Fiscal Year Annual Research Report
窒化ガリウムに対する絶縁ゲート構造の形成と界面特性評価に関する研究
Project/Area Number |
11650309
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
橋詰 保 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 助教授 (80149898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武山 真弓 北見工業大学, 工学部, 助教授 (80236512)
兼城 千波 神奈川工科大学, 工学部, 助手 (30318993)
本久 順一 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 助教授 (60212263)
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Keywords | 窒化ガリウム / 表面制御 / 界面制御 / MIS構造 / 表面処理 / フェルミ準位ビンニング / 窒化シリコン膜 / アルミナ膜 |
Research Abstract |
本研究では、高出力・高温動作電子デバイスへの応用をはかるために、GaN金属/絶縁体/半導体(MIS)界面特性の詳細な評価を行い、MISゲート作製プロセス確立のための基礎的知見を得ることを目的とした。本年度得られた主な成果を以下にまとめる。 (1)MIS接合形成前の表面処理法を検討した。ECR励起水素プラズマ処理は、表面の清浄化および自然酸化膜の除去に効果があるが、GaN表面に表面欠陥を発生させることが明らかになった。光電子分光法、原子間力顕微鏡、容量-電圧法による詳細な評価の結果、活性水素種がGaN表面と反応して窒素の脱離を誘起し窒素空孔に関連した欠陥を形成すること、およびこの表面欠陥は伝導帯下端から0.5eVの位置にドナー型の準位を形成することを明らかにした。一方、ECR励起窒素プラズマ処理では、このような現象は生じないことがわかった。 (2)アンモニア処理と窒素プラズマ処理を組み合わせた表面処理プロセスを開発し、そのGaN表面にECRプラズマCVD法によりSiN_x膜を堆積したMIS構造では、タイプIのバンドラインナップを持つこと、および10^<11>cm^<-2>eV^<-1>台前半の低界面準位密度を有する良好な界面特性を実現できることを明らかにした。また、SiN_x膜のバンドギャップは5.1eVであることを見いだし、Al組成が30%以上のAlGaNに対するポテンシャル障壁は1.0eV以下となり、ゲート絶縁膜としての利用は困難であることが示唆された。 (3)自然酸化膜を持つGaNおよびAlGaN表面に超高真空中で1nm〜2nmのAl薄膜を堆積し、真空熱処理することにより、Al/自然酸化膜表面をAl_2O_3薄膜に変換するプロセスを開発し、この構造により、GaN/AlGaNヘテロ構造FETのゲートリーク電流を2ケタ減少させることに成功した。また、Al_2O_3薄膜により表面パッシベーションを行ったGaN/AlGaNヘテロ構造において、2次元電子ガス密度が5%程度増加することがわかった。さらに、このAl_2O_3薄膜は6.0eV以上のバンドギャップを持つことが明かとなり、GaN/AlGaNヘテロ構造を用いたFETデバイスの絶縁ゲート構造への応用が有望であることが示された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Hashizume: "Surface Characterization of GaN and AlGaN Layers Grown by MOVPE"Matec.Sci.Eng.B. 80. 309-312 (2001)
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[Publications] T.Hashizume: "Surface Passivation Process for GaN-Based Electronic Devices Utilizing ECR-CVD SiNx Film"IEICE Trans.Electron.. E84-C. 1455-1461 (2001)
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[Publications] T.Hashizume: "Chemistry and Electrical Properties of Surfaces of GaN and AlGaN/GaN Heterostructures"J.Vac.Sci.Technol.B. 19. 1675-1681 (2001)
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[Publications] S.Ootomo: "Surface passivation of AlGaN/GaN heterostructures using an ultrathin Al2O3 layer"phys.stat.sol.A. 188. 371-374 (2001)
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[Publications] S.Oyama: "Mechanism of Current Leakage through Metal/n-GaN Interfaces"Applied Surface Science. (in press). (2002)
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[Publications] Z.Jin: "Effects of nitrogen addition on methan-based ECR plasma etching of gallium nitride"Applied Surface Science. (in press). (2002)
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[Publications] M.Konishi: "In-situ XPS and Photoluminescence Characterization of GaN Surfaces Grown by MBE on MOVPE GaN Templates"Inst.Phys.Conf.Ser.. (in press). (2002)