1999 Fiscal Year Annual Research Report
InSbMISFETのソース・ドレイン構造に関する研究
Project/Area Number |
11650316
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
杉浦 修 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10187643)
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Keywords | インジウムアンチモン / ドナー / ドーピング / 硫黄 / p-nダイオード / 光照射アニール |
Research Abstract |
n型InSbMISFETの微細化に適したソース・ドレイン構造の製作方法を研究した。本研究の目的はゲート形成後にソース・ドレインを自己整合的に形成する技術を見出すことにある.従来のイオン注入と活性化アニールでInSbに高濃度n型領域を形成する場合、プロセス温度(250℃)がゲートの耐熱温度(150℃)よりも高く、ゲート形成後にソース・ドレインを形成すると電気特性劣化「フラットバンド電圧の負シフト)が起こる。そこで、アニール方法をフラッシュランプアニールに代えてゲート構造への熱損傷を軽減する実験を行った。 真空蒸着装置を改造してフラッシュランプアニール装置を試作した。同装置がInSb基板を融点まで昇温できる能力を有していることを確認した。ただし、光源に用いたタングステンフィラメントの蒸発を防ぐため、投入電力を制限する必要があり、昇温には数分間を要した。同装置を使い、硫黄を吸着させたp型InSb基板を光照射アニールしたところ、光照射時間2〜4分で良好なpn接合が形成できた。また、MISダイオードを形成したInSb基板に光照射アニールを施したところ、光照射時間2分までは、フラットバンド電圧に大きな変化がなかったのに対し、4分以上照射するとフラットバンド電圧が負側にシフトする現象が観測された。以上より光照射時間2分でMIS構造を劣化させずにpn接合を形成できることがわかった。 計画では、Siをイオン注入したInSb基板を用いる予定であったが、イオン注入装置の稼動状況を鑑み、表面吸着法でドナーを付与させる実験を先行させた。本年度得られた成果をもとに、InSbMISFETを製作する予定である。
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