1999 Fiscal Year Annual Research Report
酸化シリコンナノポーラス薄膜の低誘電率材料への応用
Project/Area Number |
11650317
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
内田 和男 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (80293116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 洋 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (00134867)
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Keywords | 低誘電率材料 / 層間絶縁膜 / 酸化シリコンナノポーラス薄膜 / ガス中蒸発法 / クラスター |
Research Abstract |
ガス中蒸発法を用いて低誘電率材料への応用が期待される酸化シリコンナノポーラス薄膜の作製及びその評価を行った。この薄膜作製の原理は圧力がAr+O_2雰囲気ガスにより数Torr以内に調整されたチャンバー内において、つるぼより蒸発するシリコン原料の蒸気が過飽和状態となることより、シリコンクラスターが形成され、そのクラスターの表面が基板上に到達する間に雰囲気ガスにより酸化され、内部にクラスター、ボイドを有する緻密な酸化シリコンナノポーラスとして基板に到達し、連続膜が堆積すると考えられる。これまでの実験結果として、薄膜作製条件および膜構造への影響として膜の多孔質度、酸化シリコンの化学量が蒸発源の温度、O_2分圧に存在することが明らかとなった。またこれら酸化シリコンナノポーラス薄膜の電気容量測定より求めた誘電率は最小でおよそ1.4を示した。また全反射X線を用いたこれらサンプルの多孔質度はおよそ90%以上であり、これはサンプルの90%がボイドで形成されていることを示すものであった。しかしながらこのような多孔質材料に不可避な水分の吸収がFTIR測定で確認され、電気容量測定より求めた誘電率値は水分の影響により、実際値よりも大きいことが予想される。そしてこの水分除去が今後の研究課題であることが明確化された。このように解決すべき問題は存在するが、本材料が0.13μmの配線幅を有する次世代シリコンVLSI対応層間絶縁膜の有力候補であることが今年度の結果より明らかになった。
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