1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650330
|
Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
唐木 智明 富山県立大学, 工学部, 助手 (10254236)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 正 富山県立大学, 工学部, 助手 (90305483)
|
Keywords | ランガサイト単結晶 / 圧電単結晶 / 表面弾性波素子 / チョクラルスキー法 / ブリッジマン法 / 単結晶育成 / 粘性 |
Research Abstract |
チョクラルスキ-法でランガサイト系圧電単結晶 Ba_3Ga_2Ge_4O_<14>(BGG)の育成を行った。高純度原料のBaCo_3、Ga_2O_3とGeO_2を化学量論比に調合、混合した後、1000℃で仮焼きをする。BGGの粘性が非常に高いので、仮焼きの不完全な粉は使用できない。BGGと同構造かつ高融点のLa_3Ga_5SiO_<14>(LGS)を種にし、BGG融点の1030℃前後で種付きをした。育成はc軸方向で、引き上げ速度は0.6-1.0mm/hだった。しかし、粘性があまりにも高いので、軸回転は不安定になり、種付け後の絞込みはうまくできず、育成された結晶はほとんど不透明な多結晶だった。同じ原因で、融液内の気泡は抜けにくく、結晶に入ってしまったケースも多かった。きれいな単結晶が育成できなかったので、結晶評価には至らなかった。 融点が低すぎると粘性が高い。そこで、SiあるいはSnでGeを置換し、粘性の低い材料の探しを試みた。熱分析DSCでBa_3Ga_2Ge_<1-x>Si_xO_<14>(x=1,2,3,4)の融点を測った結果、それぞれ1050、1070、1100、1130℃であると分かった。X線回析結果、x=1とx=2の組成はランガサイト構造を保持し、それ以上の組成は多相混合になった。それは、Si^<+4>のサイズが小さく、置換しずぎたら元の構造が崩れてしまったからである。上記と同じ育成条件で2、3回Ba_3Ga_2Ge_2Si_2O_<14>(BGGS)を育成してみたところ、不透明な多結晶であったが、粘性が大分改善されたので、絞込みも可能になり、外形が六角形のものが得られた。BGGS結晶の引き上げ育成が可能であることを確認できた。Sn置換については実験中である。 粘性の高い融液からの単結晶育成には、引き上げ法以外に、ブリッジマン方法は有効だと思われる。融液内の気泡が徐々に上へ上り、下から結晶化してくる結晶に悪影響がない。この方法はすでに他の低融点の結晶育成に成功されている。BGGなどに使える装置を設計し、発注した。新装置が入荷次第、この方法で育成を行う。
|