2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650330
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
唐木 智明 富山県立大学, 工学部, 助手 (10254236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 正 富山県立大学, 工学部, 助手 (90305483)
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Keywords | ランガサイト単結晶 / 圧電単結晶 / 表面弾性波素子 / チョクラルスキー法 / 単結晶育成 / 圧電定数 |
Research Abstract |
昨年に引き続き、ランガサイト系の単結晶を育成した。特にCa_3NbGa_3Si_2O_<14>(CNGS)を中心に育成を行った。この結晶の融点は1325℃前後で、高周波育成装置を用いれば、白金坩堝でも使える。単結晶格子定数比a/cは1.628であり、他の既知のランガサイトより大きいので、大きな圧電定数が期待される。 まずC軸方向に育成を試みた。育成速度は1mm/hで、ネツキングはうまく行けず、何回も種結晶が融液面から離れてしまった。育成された結晶は表面の凹凸が激しく、内部にもクラックが多発した不透明なものだった。育成速度を0.5mm/hにした結果、ネッキングはうまくいったが、肩部分を広げたところから乱雑した多数の核が発生し、結局不透明な結晶になってしまった。 X軸方向の育成については、育成速度1-1.5mm/hで、ネッキから肩広げの部分に問題が生じた。結晶が円筒形になると、クラックが発生し、きれいな結晶は得られなかった。これはネッキングのよさにはよらなかった。ゆっくり肩を成長していくと、Y方向が広げたが、Z方向はほとんど大きくならず、厚み5mm程度の板状無色透明な結晶が育成できた。 Y軸方向の育成も同じであった。今度はX方向に少し広げ、Z方向は大きくならない厚み5mm程度の板状無色透明な結晶が育成できたが、肩成長を少しでも速くすると、クラックが入ってしまった。 育成の結果から見ると、(今の条件では)Z軸方向の育成はとても困難で、X軸方向は一番可能性があると分かった。 きれいな結晶から切り出した試料を用いて、圧電定数を測ったが、思ったより小さい、d_<11>=-3.7で、予測の半分程度であった。原因としては2つ考えられる;結晶方位が正しくないことと、もともと圧電定数が小さいことである。前者についてはこれから確認するが、後者については、Aサイトのイオンサイズも関連があり、Ca^<+2>のイオン半径は他のランガサイトより小さいことである。もしこれが正しいならぱ、Ba_3NbGa_3Si_2O_<14>(BNGS)はかなり有望になる。
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[Publications] M.Adachi, Y.Sawada, T.Funakawa, T.Karaki: "Growth of Langasite Family Compounds For Bulk and SAW Applications"Ferroelectrics. (to be published).