2000 Fiscal Year Annual Research Report
半導体ナノパーティクルの合成と薄膜形成に関する研究
Project/Area Number |
11650331
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Research Institution | AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中田 時夫 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (90082825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲吉 倫子 青山学院大学, 理工学部, 助手 (40082862)
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Keywords | ナノパーティクル / セレン化銅インジウム / 薄膜 / 薄膜太陽電池 / 低コスト成膜法 / 塗付焼成法 |
Research Abstract |
ナノパーティクルを出発原料とした非真空プロセスによる薄膜形成法は低コストプロセスとして期待される。しかしながら、太陽電池材料であるCu(In,Ga)Se_2薄膜の形成に関してはナノパーティクル合成法やCIGS製膜法および膜質などに関する詳細な報告はない。そこで今回CIGSナノパーティクル合成とCIGS薄膜形成を試み、その詳細を提供することを目的とした。CIGSナノパーティクル合成は以下の手順で行った。最初に、Ar雰囲気中でCuI,InI_3,GaI_3にピリジンを加え室温で1時間攪拌した。これにNa_2Seメタノール溶液を混合し反応させ、Cu-In-Ga-SeとNaIを生成する。この溶液をドライアイスで冷却し、さらに十分攪拌した後、遠心分離機にかけ、NaIを分離し、最後にドライメタノールを加え、ピリジンを除去してCu-In-Ga-Seナノパーティクルを形成した。これらの粒子は透過電子顕微鏡観察から粒径10nm程度の結晶性微粒子であり、また、X回折からこれらが多結晶CIGSとCuSeの混在状態であることが分かった。これは従来の報告が非晶質CIGSナノパーティクルであったのと異なり、CuSeによるCIGS薄膜の粒径増大が期待できる。次に、このCIGSナノパーティクルにトリエタノールアミンを加えてインクを作製し、これをドクターブレード法でMo/SLG基板上に塗布し、500℃で10分間Arガス中で熱処理した。生成膜をX線回折で調べた結果、(112)配向したカルコパイライト型Cu(In,Ga)Se_2であることを確認した。今回、初期実験ではあるが、非真空プロセスでCIGSナノパーティクルの合成と薄膜形成が可能であることを実証できた。
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