1999 Fiscal Year Annual Research Report
人口格子形成シミュレーションと微細加工によるGMR素子の高性能化
Project/Area Number |
11650333
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
伊藤 彰義 日本大学, 理工学部, 教授 (60059962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 活二 日本大学, 理工学部, 助教授 (20221442)
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Keywords | 分子動力学法 / シミュレーション / 人工格子 / 巨大磁気抵抗効果 / 微細加工 / GMR / CPP-GMR / FIB |
Research Abstract |
磁性人工格子に見出された巨大磁気抵抗効果(GMR)は、超高密度磁気記録の磁気ヘッドとして世界的に苛烈な研究・開発競争が続いている。GMR特性は、人工格子の界面構造に敏感で、その積層方向に電流を加えたCurrent Perpendicular to the Plane(CPP)のとき最大になる。人工格子において、ナノスケール界面構造の製膜条件・GMR特性との対応、CPP-GMRを実現する基板あるいは微細加工法を明確にすることが求められている。本研究では、1 モンテカルロ法と分子動力学法を併用した薄膜形成過程シミュレーション、2 集束イオンビーム(Focused Ion Beam:FIB)による基板・人工格子の微細加工により、人工格子の界面構造と作成条件との対応を明確にし、高性能GMR素子を実現する。 本年度は、分子動力学法を用いた薄膜形成過程シミュレーションにより、 (1) 製膜条件と原子スケールの微細構造の対応の検討を行った。 (2) 種々の表面凹凸、面内ひずみを有する下地膜上への積層シミュレーションを行い、下地層内部の面内ひずみの値が主に堆積層の結晶配向やひずみの均一性を決定することを明らかにした。 (3) ナノスケールの構造の検討を行うため、プログラムの高速化により計算サイズの拡張(基板サイズ51nm×51nm相当)を行った。 また、多層膜の微細加工モデルおよびFIBを用いた微細加工条件の基礎検討を行い、10nmオーダーの精度でCo/Cu多層膜の加工が行えることを確認した。 今後これらの点も含め、多層膜を微細加工することによるCPP-GMR構造実現を目指す。 また、更に精度の高いModified-EAMを用いた膜形成シミュレーションプログラムの開発も進めている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Arata Tsukamoto: "The structure at the interface of Ni/Pd bilayer films with different deposition sequences"IEEE Trans. Magn.. Vol. 35 No. 5. 2998-3000 (1999)
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[Publications] Arata Tsukamoto: "The structure at the interface of Ni/Pd Superlattices with different crystal orientation"J. Magn. Magn. Mater.. 198-199. 710-712 (1999)