2000 Fiscal Year Annual Research Report
フラレノール添加PUEの電歪効果を利用した低電界駆動アクチュエータの基礎研究
Project/Area Number |
11650337
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Research Institution | NARA NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
京兼 純 奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (50043469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢田 英夫 奈良工業高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (50259909)
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Keywords | ゲル様高分子 / ポリウレタンエラストマ / 電歪効果 / フラレノール / アクチュエータ / 低電界駆動 / 圧電性 |
Research Abstract |
フラレノール添加ポリウレタンエラストマー(PUE)の電歪効果を利用した低電界駆動型アクチュエータの実現という目的で研究を遂行し、得られた結果を纏めると次のようになる。 〇PUEのソフトセグメントにポリエステル系ポリオール(PMPA)を、ハードセグメントにジイソシアネート(PPDI)を、鎖延長剤としてプロパンディオール(1,2PD)を用いてキャスティング法でフィルム化(400μm〜100μm)した時に『電歪効果』が生じた。 〇低電界駆動に使用するフラーレンC_<60>は、スルホン化し加水分解した後にPUE合成時の硬化剤として反応させた。最終的に『OH基が10〜12個』程度ついていることが分かった。 〇アクチュエータ構成は、PUEフィルムの両面にコロナ放電処理を行った後、電極材料として金とアルミを用いて熱およびイオンアシスト法で蒸着し『ユニモルフ型』とした。 〇本アクチュエータの屈曲方向は電極材料と電極層の厚さに大きく依存するが、電極層の厚さが200nm以下の場合には、全ての試料において変位が陰極方向のみに生じる『極性効果』を示すことが明らかとなった。 〇フラレノールをPUEに導入して分子構造制御を行った結果、フラレノールの濃度が0.25%で最大の変位を示し、屈曲が5mm程度となる駆動電圧も従来1KV以上であったものが400Vとなり『低電圧駆動が可能』となった。 〇試作アクチュエータの『発生力は電界印加と共に比例して増加』し、フィルム厚が200μmの場合に最大となり、フィルムを2枚重ねることでピンセットのように『スポンジを掴む』ことが可能となった。 〇さらにPUEフィルムは、加圧あるいは引っ張りに対して顕著な『圧電効果』が発現することが明らかとなった。
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[Publications] J.Kykane,H.Yugen,T.Hirai,T.Ueda,K.Yoshino: "ELECTRO-STRICTION EFECT OF POLYURETHANE ELASTOMER AND ITS APPLICATION TO ACTUATORS"Synthetic Metals. 103. 2366-2367 (1999)
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[Publications] 京兼純,浦西大祐 他: "フラレノール添加PUEの電歪効果と低電界駆動アクチュエータへの応用"第31回電気電子絶縁材料システムシンポジウム予稿集. P-21. 273-276 (1999)
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[Publications] 京兼純,浦西大祐 他: "フラレノール添加PUEの電歪効果と低電界駆動アクチュエータへの応用"電気材料技術雑誌. 8巻1号. 18-24 (1999)
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[Publications] 京兼純,浦西大祐 他: "ポリウレタンエラストーマ(PUE)の電歪効果を利用したアクチュエータ"電気化学会 技術・教育研究論文誌. 9巻1号. 23-28 (2000)
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[Publications] J.Kyokane,D.Uranishi,T.Ueda,K.Yoshino: "Applicalion to Actuators using Electrostriction Effect of Fullerenol Doped Polyuretane Elastomer"Tech.Digest of THE 17th SENSOR SYMPOSIUM 2000,. A2-6. 73-76 (2000)
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[Publications] J.Kyokane,D.Uranishi,T.Ueda: "APPLICATION TO ACTUATORS OF FULLERENOL DOPED POLYURETHANE ELASTOMER (PUE)"International Conference on Science and Technology of Synthetic Metals ; Gastein, Austria. Fri DIII. 191 (2000)