1999 Fiscal Year Annual Research Report
水素吸蔵により膨張するパラジウム薄膜を利用した水素ガスセンサ
Project/Area Number |
11650339
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
奥山 克郎 山形大学, 工学部, 教授 (70007011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 澄雄 山形大学, 工学部, 助手 (10224180)
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Keywords | 水素 / ガスセンサ / パラジウム / 膨張 / カンチレバー / 銀 / 片持梁 |
Research Abstract |
本研究はPdおよびPd/Agをガラス上にコートした片持梁型水素ガスセンサを試作し,その水素検出特性を実験的・理論的に明らかにしようとする研究である. 1.PdおよびPd/Agをコートしたコートした片持梁型水素ガスセンサの試作 (1)真空蒸着装置(新規購入)を用いて4×20×0.08mmまたは4×20×0.13mmの大きさのPd/GlassまたはPdAg/Glass梁を作成した.またこの梁の水素応答特性を調べるためにレーザーを用いた光てこ方式の曲率測定システムを作成した. (2)Pdの厚さを100〜1000Åの範囲で変化させ水素圧力0.1〜600Torrの範囲での曲率変化を測定した結果,0.1〜10Torrの水素圧力範囲では水素圧力を定量的に検出することができるが,Pdの相変化のために10Torrよりも高い圧力では定量的に水素を検出することができないことが明らかになった. (3)特性を改善するためPd-Ag合金を使用した.Agを添加することにより10Torr付近でのPdの相変化が抑えられ,高圧力まで定量的に水素を検出できることを明らかにした.検出特性がもっとも良好になるのはAgの添加量が50%のときで,この場合600Torrの圧力まで定量的に水素を検出することができる.またPdを用いた場合に比べて十数倍ほど応答速度が劣り,また大気中における特性の劣化が顕著であることがわかった. 2.Pdをコートしたコートした片持梁型水素ガスセンサの変位の理論的検討を行い,Pd/Glass片持梁型水素ガスセンサの曲率変化が雰囲気の水素分圧の平方根に比例することを明らかにし,実験的にも値が一致することを確認した. 3.変位検出部のシステム化を行うためにコンパクトディスクのフォーカシングサーボ機構を用いた変位検出システムの試作を行った.
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[Publications] 奥山澄雄: "Ag添加によるPd/Glass梁型水素ガスセンサの特性改善"第46回応用物理学関係連合講演会講演予稿集. 498 (1999)
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[Publications] 水戸部勇一: "CD用光ピックアップを検出部としたPd片持梁型水素ガスセンサ"第53回応用物理学会東北支部学術講演会講演予稿集. 143-144 (1999)
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[Publications] 奥山澄雄: "Pd薄膜の付加によるPdAg/Glass梁型水素ガスセンサの特性改善"第47回応用物理学関係連合講演会講演予稿集. (2000)