1999 Fiscal Year Annual Research Report
溶液中での自己組織化マイクロパターニングによる超高密度磁気記録ディスク
Project/Area Number |
11650343
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
北本 仁孝 東京工業大学, 工学部, 助手 (10272676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 正紀 東京工業大学, 工学部, 教授 (70016624)
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Keywords | フェライト薄膜 / マイクロエマルション / 磁性超微粒子 / フェライトめっき |
Research Abstract |
本年度はフェライトめっきの技術を応用したマイクロエマルションの技術による磁性超微粒子の合成を試みた.逆ミセルを形成するために用いたのは有機溶媒であるオクタンと界面活性剤であるエアロゾルOT(AOT)である.酸化剤には過酸化水素水を用い,pH調整剤としてアンモニア水を用いた.また,比較として逆ミセルを形成しない場合の微粒子合成も試みた. Mnフェライト微粒子の合成を試み,油-水エマルションの逆ミセルを形成した場合には約100nmの直径でほぼ球形の微粒子が得られた.しかし,その磁化はミセルを形成しない場合と比較して,非常に小さく永久磁石による磁気分離を行うことはできなかった.X線回折の結果,微粒子は非晶質あるいは微結晶から構成されていることがわかった.このスピネル結晶が形成されていないことは,磁化がほぼ0であることの原因であると考えられる.また,メスバウアー分光の結果から粒子はγ-FeOOHと微量のα-FeOOHとから構成されていることがわかった.酸化剤として過酸化水素水を用いたことが,過度の酸化による結晶性低下の原因になっていると考えられる.これはフェライトめっきにおいてもいえることである. また,微粒子形成が室温で行われることから,通常は60〜90℃の範囲で行われるフェライトめっきにおいて、室温でのマグネタイト膜形成条件の探査実験を行った.その結果,作製温度の低下とともにマグネタイトの形成される範囲は高pH側にシフトすることが理論的にも実験的にも示された.さらに,溶液のpH調整剤にはアンモニア水を用いることがのぞましく,マグネタイト形成が可能な範囲でpHを低く保つことが必要であることを見出した.
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