1999 Fiscal Year Annual Research Report
ウェーブレット変換を用いた高分解能レーダ信号解析法の開発
Project/Area Number |
11650351
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西本 昌彦 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (60198520)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中 良弘 熊本大学, 工学部, 助手 (30305007)
生野 浩正 熊本大学, 工学部, 教授 (80040400)
|
Keywords | ウェーブレット変換 / 時間-周波数解析 / 電磁波散乱 / 信号解析 / 短時間フーリエ変換 |
Research Abstract |
「電磁波を用いたセンシング・イメージングシステムの高性能化」では、いかにして解像度および耐雑音性を向上させるかが大きな研究課題となっている。この問題を解決するには、レーダ信号に含まれている物体の情報を正確に、且つ効率よく抽出するための信号処理技術の確立が鍵となる。本研究では、レーダ信号からターゲット情報を効率よく抽出するためのウェーブレット変換を用いた信号解析法について研究を行っている。今年度は、まず基底関数としてガウシアンウェーブレットを用いた「適応型時間-周波数解析法」を提案し、その有効性について検討を行った。 ウェーブレット変換を用いた通常の時間-周波数解析は、短時間フーリエ変換にはない「多重解像度」を持つことが大きな特徴である。しかし、その解像度は時間または周波数に反比例した変化しかできないという不便さを持っていた。これに対し、この研究で提案している「適応型時間-周波数解析法」は、解像度が信号に応じて最良の値へと自動的に変化することが大きな特徴である。基底関数の時間や周波数の中心、及びその幅が解析対象の信号に適応するように調整されるため、短時間フーリエ変換やウェーブレット変換では失われていた情報、すなわち低周波域での時間解像度や高周波域での周波数解像度が良好に表現されることが期待できるわけである。実際に解析プログラムを作成し、これを簡単な電磁波散乱応答分析に適用した結果、その有効性が確認できた。 次年度の研究予定は、(1)この手法の分解能を向上させること、(2)ノイズに対する影響について検討すること、さらに(3)地中埋設物探査等の信号処理のコンピュータシミュレーションを行い、この手法の有効性と適用限界を明確にすることである。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 西本昌彦: "適応ガウス基底関数表現を用いた電磁波散乱応答の時間-周波数解析について"電子情報通信学会技術報告. AP99-88. 79-85 (1999)
-
[Publications] 西本昌彦: "適応型ガウス基底関数表現を用いたレーダ信号の時間周波数解析"1999年電子情報通信学エレクトロニクスソサイェテイ大会. C-1-24. 24-24 (1999)
-
[Publications] 西本昌彦: "時間-周波数分布級数による電磁波散乱応答の時間-周波数解析について"平成11年度電気関係学会九州支部連合会大会. 917. 451-451 (1999)
-
[Publications] 西本昌彦: "適応解像度を持つ時間-周波数解析法とその電磁波散乱応答分析への応用"電気学会電磁界理論研究会資料. EMT-99-84. 83-88 (1999)
-
[Publications] 西本昌彦: "時間-周波数分布級数を用いた電磁波散乱応答の分析"2000年電子情報通信学総合大会. C-1-37(発表予定). (2000)