2000 Fiscal Year Annual Research Report
色素を用いない新しい発色技術の開発-酸化チタン基板への応用-
Project/Area Number |
11650365
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Research Institution | Kumamoto National College of Technology |
Principal Investigator |
岩木 龍一 熊本電波工業高等専門学校, 電子工学科, 教授 (50044699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 道成 熊本電波工業高等専門学校, 電子工学科, 教授 (30044720)
伊藤 日出男 通産省電子技術総合研究所, 光技術部, 主任研究員
松田 豊稔 熊本電波工業高等専門学校, 電子工学科, 教授 (00157322)
西山 英治 熊本電波工業高等専門学校, 電子工学科, 助教授 (00237752)
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Keywords | 構造性発色 / 光触媒 / ドライエッチング / 微細加工 / 周期構造 |
Research Abstract |
本研究では、光触媒材料である酸化チタン(TiO_2)を構造性発色によって着色する技術の開発を目的として前年度に引続き、平成12年度に以下の研究を行い、国内外の学会で発表した: (1)計算機設計TiO_2とSiO_2を材料として、構造性発色によって中心波長λ_0が0.48μmの青色を発色する微細構造を計算機シミュレーションにより求め、設計パラメータを定めた。この微細構造は、光学膜厚がλ_0/4の誘電体薄板(lamella)の積層構造と線条(ridge)の周期構造(周期が0.6μm程度)から構成される。 (2)製作・加工(1)で求めた設計モデルを実際に製作し、その反射スペクトル特性を測定した。まず、TiO_2/SiO_2の積層構造を蒸着により作成し、次に電子ビーム露光によりマスクのパターンニングを行い、ドライエッチングによって線条周期構造を作成した。そして、この微細周期構造の反射スペクトル特性を測定し、線条の周期が1μm以上でλ_0=0.48μmを中心波長とする発色が観測された。 (3)評価CIE表色系によって構造色を評価する実験および理論計算を行った。分光測色計または計算機シミュレーションにより反射スペクトル特性を求め、これからYxy表色系により色の3要素(色相、明度、彩度)を求めた。そして、誘電体薄板の膜厚が色相(色あい)を定め、線条の周期が明度および彩度に強い影響を与えていることを確めた。このように構造性発色では、その形状によって色の3要素を制御することができ、このことが構造性発色の特長であることを見出した。 今後の課題として、製作・加工では周期が1μm以下(0.6から0.3μm)の線条構造の製作、評価では光触媒効果の実験を行う必要がある。
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[Publications] 松田: "蝶厘燐粉の光学特性とその構造,"光学会第27回冬季講習会予稿集. 122-133
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[Publications] R.Iwaki and M.Shimoda: "Electronic Circuit Model of Color Sensitive Retinal Cell Network"Proc.BMCV 2000, LNCS 1811. 482-491
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[Publications] 西山,松田,下田,岩木,伊藤: "構造色の測色について"熊本電波高専紀要. 27号. 15-28
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[Publications] H.Ito and T.Matsuda: "Photocatalytic Colored Member and Method of Manufacturing the Same"米国特許出願OSMM&N DOCKET 201419US0X.
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[Publications] 伊藤,松田: "光触媒発色材料とその製造方法"特許出願 特許出願番号 特願2000-135405.