1999 Fiscal Year Annual Research Report
多次元可変ディジタルフィルタの実現と応用に関する研究
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11650366
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川又 政征 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70153004)
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Keywords | ディジタルフィルタ / 可変フィルタ / 多次元信号処理 / 適応信号処理 |
Research Abstract |
1. 状態空間表現による高精度IIR可変ディジタルフィルタの実現法を提案した.丸め誤差が最小な2次最適実現に周波数変換を行い,可変ディジタルフィルタを実現する.このとき,係数行列要素の更新に要する計算量を削減するために,周波数変換後の係数行列要素に対して線形近似を行う.このように可変ディジタルフィルタを実現することで,高精度のフィルタ特性を実現できる.提案手法により実現した可変ディジタルフィルタと,直接形II構造と並列全域通過構造のそれぞれの可変ディジタルフィルタのフィルタ特性を比較した.結果,2次最適実現を用いた可変ディジタルフィルタは,線形近似によるフィルタ特性劣化と,係数量子化によるフィルタ特性劣化がともに小さい. 2. 画像信号のような2次元信号のフィルタリングを行うとき,信号の特性にしたがってフィルタの周波数特性を変えたいときがある.このような要求を満たすフィルタとして,可変フィルタが挙げられる.プロトタイプフィルタとして2次元分母分離形伝達関数を用いた2次元可変IIRディジタルフィルタの設計法を提案した.2次元分母分離形フィルタの伝達関数を並列1次全域通過区間に分解する.その後,周波数可変特性をもたせるため周波数変換を適用する.最後に,係数更新のための計算量を削減するためテイラー級数展開の線形近似が適用される.これによって得られる2次元可変IIRフィルタは,安定判別が容易であり,高精度な周波数可変特性をもっている.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoshiyuki Hagiwara,Masayuki Kawamata: "Adaptive Detection and Enhancement of Sinusoidal Signals Using a Variable IIR Band-Pass Digital Filter"Proc. of IEEE International Symposium on Intelligent Signal Processing and Communication Systems. 445-448 (1999)
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[Publications] 松川 尚司,川又 政征: "状態空間表現による高精度可変ディジタルフィルタの実現"第14回ディジタル信号処理シンポジウム講演論文集. 605-610 (1999)
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[Publications] Hyuk-Jae Jang,川又 政征: "1次全域通過区間を用いた2次元分母分離形可変IIRディジタルフィルタ"計測自動制御学会東北支部35周年記念学術講演会予稿集. 9-10 (1999)
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[Publications] 萩原 賢征,川又 政征: "可変IIR帯域通過ディジタルフィルタを用いた正弦波信号の適応的検出"1999年電子情報通信学会基礎・境界ソサイエティ大会講演論文集. 73 (1999)
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[Publications] 松川 尚司,川又 政征: "状態空間表現による可変ディジタルフィルタの構成"平成11年度電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 43 (1999)
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[Publications] 川又 政征,松川 尚司: "状態空間表現による可変ディジタルフィルタの構成"電子情報通信学会技術研究報告. DSP99-9. 13-20 (1999)