2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650373
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
小林 欣吾 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (20029515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 正純 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (90242346)
山口 和彦 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (60220258)
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Keywords | データ圧縮 / 木符号 / 整数符号 / 非有界探索 / カタラン符号 / 電子透かし / ステガノグラフィ / 複合誤り訂正符号 |
Research Abstract |
1.論文"The Bernoulli Splitting Process with Biased Probabilities"は計算機科学に頻出してくるトライと呼ばれるデータ構造の特性値を研究したものである。トライの分岐過程で不均等な確率で支配されているときの、トライの期待分岐数、期待深さの漸近的性能をメリン変換の特異解析を用いて厳密に導出した。このとき、興味深いことに、関係する母関数の留数を計算すると、当該の確率パラメータを含んだエントロピー関数が自然に出現してくる。論文"Log-star Function and Catalan Code for Integers"はデータ圧縮、非有界データ検索などでよく用いられる整数の符号化の研究である。ここでは、離散的情報構造の代表である2分木の符号pre-order符号と数え上げ符号との組み合せから導出される新しい整数符号Catalan符号を提案し、従来の整数符号化の代表であるエライアス符号の性能をよく記述する対数スター関数と比較検討した。 2.不正利用者を特定しやすい電子透かし方式の研究では、情報理論的な視点から、誤り訂正符号の理論との関係、様々な攻撃方法について検証を行った.この3点を融合させる新しい透かしモデルの構築とすでに提案しているアルゴリズムを公開しかつ,誤り訂正符号を利用した電子透かしにおける新しい方式の概念を検討し、それに基づく方式の開発を進めている. 3.ランダム誤りとバースト誤りが同時に発生する通信路での誤りを複合誤りという。複合誤りからデータを保護する目的として、昨年度までの研究成果により,複合誤りを通信路の数学的モデル上でどのように扱うことが可能か,どのように扱えばよいのかを明らかにした。そこでは,信号の送信及び受信空間に複合距離という関係を導入することで数学的構造を構築した。そして、今年度は,信号の送信及び受信空間の部分集合(あるいは部分空間)となる符号のクラスを定義し,その構成方法を具体的に示した。また、そのような符号の一般論としての理論的な複合誤り訂正能力の解析方法を示し,その性能評価を可能にした。今後は,上記で示した符号のクラスの拡張を進める一方で精密化について議論を進める予定である.
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[Publications] K.Kobayashi,M.Hoshi and H.Morita,: "The Bernoulli Splitting Process with Biased Probabilities,"Proc.of the 23rd Symp.on Infor.Theory and Its Appl.,. 343-345 (2000)
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[Publications] K.Kobayashi,: "Log-star Function and Catalan Code for Integers,"Proc.of the 23rd Symp.on Infor.Theory and Its Appl.,. 351-354 (2000)
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[Publications] K.Iwamura,K.Yamaguchi and H.Imai: "Reliable difital watermark using error-correcting coding"Proc.of 2000 International Symp.on Infor.Theory and Its Appl.. 669-672 (2000)
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[Publications] 栗原正純: "複合誤り訂正についての一概念"電子情報通信学会論文誌A. Vol.J82-A No.6. 771-780 (2000)