1999 Fiscal Year Annual Research Report
直交化フィルタを用いた非同期直接拡散/符号分割多元接続通信方式に関する研究
Project/Area Number |
11650375
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
太刀川 信一 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70155084)
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Keywords | スペクトル拡散 / 直接拡散 / 符号分割多元接続 / 同期捕捉 / 直交化フィルタ / 擬似雑音系列 / LMSアルゴリズム / 相関関数 |
Research Abstract |
次世代の通信方式として、符号分割多元接続通信方式(CDMA)が注目されている。しかし、この方式では、他局間干渉の存在により性能が大きく劣化し、初期同期捕捉時には重大な問題となる。これまでに、直交化フィルタを使って、干渉を回避しながら捕捉を行う方法で、この一解決法を示した(前提案方式とよぶ)。本研究では、さらに,同じく直交化フィルタを使用するものの、拡散系列との相関を有効に利用し、回路規模を大きくせず、同期捕捉時間を大幅に短縮する方法を、新たに提案し、その基本性能を明らかにした。また、従来法に比べて、何倍程度高速化が可能なのかを明確にした。 1.基本的な解析と本方式の改善検討。直交化フィルタのタップ重み係数と分割された2つの自局系列が各々直交しているという原理を利用する。直交化フィルタのタップ重み係数を、他局だけでなく自局のPN系列とも直交化するように収束、形成させ、そのタップ重み係数に対して、自局の受信機側PN系列を0.5チップスライドさせながら相関チェックを行うことで同期点候補をいくつか選択する。そして、その中から、前提案方式による詳細な比較により、より正しい同期点を決定する。2.直交化フィルタの係数収束条件の検討。一定品質を確保した上で、同期時間が最小となる最適な直交化フィルタ係数の収束条件を検討した。3.本方式と従来方式の比較、多元接続数の増加や遠近問題時での本方式の効果を検討した。その結果,例えば,AWGN環境下(E_b/N_0=6.8[dB])で,SIR=-20[dB],符号長127,多元接続数22とした場合,スライディング相関法では同期捕捉不可能,前提案方式では平均同期捕捉時間が1.7×10^6T[sec](T:1ビット時間幅)に対して,本方式では,6.7×10^5T[sec]となり,前提案方式の約1/3の時間で同期捕捉が可能となった.
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