1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650386
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮崎 明雄 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助教授 (70192763)
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Keywords | 電子透かし / ディジタルウォーターマーク / マルチメディア信号 / 情報セキュリティ / 電子メディア / 著作権保護 / ウェーブレット変換 / モルフォロジカル信号処理 |
Research Abstract |
本研究では、ディジタルコンテンツとして、電子メディアとしての動画像と文書(文字・図形)を掲げ、これらに対する電子透かしの実現を目指して研究を行う。今年度は、研究代表者のこれまでの研究成果(科研費・奨励(A)No.09750425:静止画像に対する電子透かし技術)をベースに基礎的研究を行い、動画像及び文書への電子透かし方式をいくつか提案し、これらの有効性について検討した。今年度の研究成果は以下の通り。 1.ウェーブレット変換による画像の多重解像度表現を用いて、静止画像と動画像の両方に適用可能な電子透かし方式をいくつか提案した。さらに、これらの方式がJPEGやMPEGなどの非可逆圧縮、フィルタ処理や階調変換などの各種画像処理に対して耐性をもった電子透かし方式であることを確認した。 2.画像の輪郭線を利用した画素置換型の電子透かし方式を提案し、自然画だけでなくアニメ画像にも適用できることを示した。また、上記1の周波数領域利用型の方式と組み合わせて、ハイブリッド電子透かしとすることにより、透かしの耐性を上げることができた。 3.文書を文字・図形2値パターンとみなして取り扱い、モルフォロジカル信号処理(数理形態学的信号処理)技術を応用して電子透かし埋め込み/検出アルゴリズムを与えた。そして、これを応用して欧文への電子透かしを実現した。また、印刷文書からの透かしの検出方法についても検討を始めた。 4.周波数領域利用型の電子透かし方式に対して、画像処理の演算子表現を用いてその耐性について議論し、耐性評価式と評価方法を提案した。さらに、この方法を用いて離散コサイン変換に基づく電子透かし方式の解析を行い、耐性評価を行った。 次年度はこれまでの研究成果を踏まえて継続研究を行い、(a)動画像及び文書に対する電子透かし方式の改良、(b)電子透かしの耐性評価法の確立とこれによる各種電子透かしアルゴリズムの評価、及び(c)これらの技術を統合した電子メディアの保護管理システムの開発を目指す。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hisashi Inoue: "A Digital Watermark Method Using the Wavelet Transform for Video Data"Proc. International Symposium on Circuits and Systems. 4. 247-250 (1999)
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[Publications] Masataka Ejima: "Digital Watermarking for Images and Video by Using Wavelet Packets"Proc. International Technical Conference on Circuits/Systems, Computers and Communications. 2. 1354-1357 (1999)
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[Publications] 江島將高: "画像の走査線信号を利用した電子透かし方式"電子情報通信学会論文誌. J82-A. 1083-1091 (1999)
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[Publications] Hisashi Inoue: "An Image Watermarking Method Based on the Wavelet Transform"Proc. International Symposium on Image Processing. 1. 296-300 (1999)
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[Publications] 蝶野慶一: "画像の輪郭線を用いた電子透かし方式"電子情報通信学会第14回ディジタル信号処理シンポジウム講演論文集. 1. 445-450 (1999)
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[Publications] 宮崎明雄: "周波数領域利用型の電子透かし方式の耐性評価について"電子情報通信学会2000年暗号と情報セキュリティシンポジウム. D-30. 7 (2000)