2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650393
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 進一 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50051561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池原 雅章 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (00212796)
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Keywords | サブバンド / 符号化 / 非可逆 / 可逆 |
Research Abstract |
近年、画像の符号化等でウエーブレット変換が広く用いられ、その有効性から次世代の静止画、及び動画の符号化標準であるJPEG2000やMPEG4でも採用される事になった。しかしウエーブレット変換は2分割フィルタバンクを対数状に接続することにより実現されるため、その実現や計算量はDCTより複雑になるという問題があり、またシステム全体としての最適性は明らかではない。本研究ではウエーブレット変換に代表される不等分割フィルタバンクを、ラティス構造を用いて構造的に完全再構成を満たしつつ有効に直接実現する方法を開発することを目的としている。完全再構成を満たすために、不等分割フィルタバンクを等分割形に変形し、この状態で完全再構成条件を課し、等分割フィルタバンクの出力を結合することによって不等分割を実現する。この際デシメーション比によって2種類のタイプに分けられる。1つはデシメーション比が整数の場合と、もう一つは有理数の場合である。デシメーション比が有理数の場合には等分割フィルタバンクを結合することにより実現できるが、整数の場合には非常に複雑である。本年度は両方の場合においてより一般的な線形位相不等分割フィルタバンクの構成法を開発した。得られた不等分割フィルタバンクを実際に画像の符号化に適用し、従来法より良好な結果が得られることを確認した。しかし得られた不等分割フィルタバンクは、まだかなり制約が多く、来年度はこの制約を緩和し、より一般的な不等分割フィルタバンクの構成法を開発していく予定である。
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[Publications] Tashiyuki UTO: "Image Coding Using Wavelets Based on Two-channel Linear Phase Orthogonal IIR Filter Banks"IEEE International Conference on Image Processing. Vol2. 265-268 (1999)
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[Publications] Yutaka Kohno: "Lossless Coding using IIR Filter Banks"ISPACS'1999. 37-40 (1999)
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[Publications] 宇戸寿幸: "IIRフィルタを用いた非可逆変換と画像符号化への応用"電子情報通信学会論文誌(A). (採録決定). (2001)
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[Publications] 川田昌宏: "重複直交変換を用いた可逆・非可逆統一画像符号化"電子情報通信学会技術研究報告(DSP). 3月(発表予定). (2001)