2000 Fiscal Year Annual Research Report
マルチメディア通信における画像処理を目的とした非線形DSPに関する研究
Project/Area Number |
11650399
|
Research Institution | MEIJI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
荒川 薫 明治大学, 理工学部, 教授 (30183734)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 泰彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30134638)
|
Keywords | マルチメディア / 画像処理 / 非線形ディジタルフィルタ / DSP / 顔画像処理 / 雑音除去 / 非線形システム |
Research Abstract |
本研究では、本研究者らが先に提案したε-フィルタなる非線形ディジタルフィルタから構成されるε-分離型非線形フィルタバンク(略してε-フィルタバンク)を提案し、これがマルチメディア情報通信上で重要な顔画像美観化に効果的であることを示した。 このε-フィルタバンクは信号における周波数成分の他に振幅をも考慮した信号分類を行なうフィルタバンクである。ε-フィルタは,固定フィルタ係数においても優れた雑音除去特性を示し,容易にハードウェア上で実現できるものであるが,平坦な信号に加わった雑音の除去には有効であるが滑らかに変化する信号に対しては十分良好な特性が得らない。ε-フィルタバンクを用いると、信号の大まかな構造と微細構造を分離することができ、信号の滑らかな変化部を大まかな構造成分として予め除去した後ε-フィルタ処理を行うことができるので、信号の滑らかな変化部においても良好な雑音除去特性を実現できる。また、信号振幅に着目した処理を行うため、信号の突発的変化も損なわれない。 本研究ではさらに、ε-フィルタバンクを顔画像処理に適用し、肌の不要凹凸成を抽出除去する顔画像美観化が効果的に行なわれることを示した。このような顔画像美観化はすでにε-フィルタによっても有効性が示されているが、単なるε-フィルタを用いたのでは、肌の平滑化が強く、また顔画像に擬似輪郭などを生じ、出力顔画像はやや人工的なものとなった。ε-フィルタバンクを用いることにより、肌の微細な小振幅凹凸成分を残したまま皺、しみなど少し大きい成分のみを除去し、自然な顔画像美観化が行なわれることを示した。 さらに、このε-フィルタバンクの構成要素であるε-フィルタのDSPによる実現法についても検討を行った。
|
-
[Publications] 渡部宏明: "Cascaded Nonlinear Filters and Its Application to Image Processin"Proc.of AFSS 2000 (Asian Fuzzy System Symposium). 1. 120-125 (2000)
-
[Publications] 渡部宏明: "Nonlinear-Linear Cascaded Filter and Its Application to Image Process"Proc.of ISITA 2000 (International Symposium on Information Theory and Its Applications). 101-104 (2000)