1999 Fiscal Year Annual Research Report
界面情報の多重化による高機能感性化学感覚センシング
Project/Area Number |
11650429
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 健司 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助教授 (50202263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 由紀子 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助手 (00304759)
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Keywords | 化学感覚 / センサ / 界面 / 分極制御 |
Research Abstract |
科学物質センサの高機能化を達成するにはセンサのトランスデューサと化学物質の相互作用メカニズムを明らかとし,測定対象となる化学物質とトランスデューサ電極表面が適切な作用を及ぼしあうようなデザインを行なう必要がある.本研究ではトランスデューサ表面と化学物質の相互作用を表面分極により制御し,化学物質の種類に関する情報を得る.また,トランスデューサ材料の表面を設計することでセンサ情報を増やし,高感度化を行なった. トランスデューサの表面分極の制御は,電極電位を通じて表面電荷密度を制御する方法を試みる.電位規制により分極制御を行なう場合は電極インピーダンスがセンサ情報になる.これらのセンサ出力が化学物質に関する情報を有するかどうが重要であるが,トランスデューサ開発という立場から,まず化学物質を作用させた場合の表面状態を電気化学インピーダンスを測定することにより調べた.電気化学インピーダンスからは電極表面,界面電気2重層,および溶液の状態が測定でき,分極を制御した際に化学物質が電極表面とどのように相互作用するかが推定できる.化学物質と分極表面との相互作用は,正および負分極状態では対となる極性の電荷および分極を持つ化学物質の部位との間で生じる.一方,非分極状態では中性物質および分子中の疎水性部位が疎水性相互作用により界面へ吸着する事が分かった.このような相互作用を電極電位および電気化学インピーダンス解析装置によって調べた.その結果,分子の部分構造に依存した応答パターンが得られること,人の味覚に近い応答特性が得られることが分かった.また,応答パターンの解析によりその化学感覚の質に関する情報を解析可能であることが分かった.
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