1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650430
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
園田 頼信 熊本大学, 工学部, 教授 (70037836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 敏博 熊本大学, 工学部, 助手 (80315283)
緒方 公一 熊本大学, 工学部, 助手 (10264277)
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Keywords | 調音器官 / 調音運動 / 調音モデル / 音声合成 / 音成分析 |
Research Abstract |
本研究は、発話に関与する調音器官の運動特性を明らかにし、これに基づいた音声合成実験を行うことを目的とするものである。本年度の研究では、(1)調音運動の計測と縦読一次系モデルに基づいた運動特徴解析、(2)MRIデータによる声道形状抽出、(3)TcL/Tkを用いた音声合成・分析システムの開発を行った。(1)の解析では、舌や下顎の運動データに縦読一次系モデルを適用し、モデルのパラメータの抽出を行った。その結果、/etete/の検査語では、/t/調音時に舌尖よりも下顎が先行して上昇運動を開始し、母音/e/調音時には両調音器官同期して下降運動を開始する特徴などが明らかになった。(2)では、MRI装置を用いて、発話中の調音器官の断層画像を取得し、単独母音の声道形状の抽出および再構築を行った。声道形状の抽出に用いる画像処理について、複数の手法を比較検討し、信頼性の高い抽出手法を実現できた。(3)では、インタラクティブな音声合成システムを構築するため、GUI(Graphical User Interface)を用いた音声合成・分析システムの開発を行った。音声合成・分析の数値計算部はFortranおよびC言語を用いて記述し、GUIの設計部には、容易にウィンドウベースのアプリケーション開発が行え、種々のプラットホームで動作可能なスクリプト言語Tcl/Tkを採用した。本システムの作成により、声道形状と音声信号との対応関係が視覚的にも把握できるようになり、音声合成の研究を進める上で有益なツールとなった。継続研究となる次年度には、(1)、(2)、(3)の成果を統合し、連続音声の合成を目指す。
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[Publications] Kohichi Ogata: "Evaluation of articulatory behavior based on cascaded first-order systems"Proceedings of International Conference on Speech Processing 1999. 623-628 (1999)
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[Publications] 緒方公一: "調音運動の時間構造についての検討-モデルに基づく運動特徴解析-"日本音響学会平成11年度秋季研究発表会講演論文集. I. 233-234 (1999)
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[Publications] 園田頼信: "GUIを用いた音声合成・分析システムの開発"平成11年度電気関係学会九州支部連合大会論文集. 593 (1999)
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[Publications] 緒方公一: "モデルに基づく調音運動の検討-舌、口唇、下顎の協調運動の考察-"日本音響学会2000年春季研究発表会講演論文集. (発表予定). (2000)