2000 Fiscal Year Annual Research Report
降雨レーダ信号に及ぼす後方散乱エンハンスメントの影響に関する研究
Project/Area Number |
11650434
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
伊藤 繁夫 東洋大学, 工学部, 教授 (30223150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小口 知宏 関東学院大学, 工学部, 教授 (20233489)
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Keywords | レーダ / 後方散乱 / エンハンスメント / 降雨 / パルス波 / 多重散乱 |
Research Abstract |
本研究では,電磁波のリモートセンシング問題において,主として地球規模の気候変動に大きく影響を与えている降雨と電磁波との相互作用を理論・実験の両面から検討し,多重散乱効果によって生ずる後方散乱エンハンスメントが及ぼすミリ波帯レーダ受信強度への影響について明らかにすることである。昨年度は,放射伝達方程式をもとに理論的にエンハンスメントの効果を組み入れる式を主として検討してきた。 今年度は,散乱実験を実証するために50GHz帯のミリ波レーダを立ち上げ,その実験装置の性能を評価することに重点をおいた。装置の性能を試すために,校正方法の手順を最初に確認した。この校正にあたって,測定すべき散乱物体を置く地点にアルミ平板をおき,この平板による反射を基準として,ネットワークアナライザとアンテナ送受信部を含むシステム全体の校正を行った。この校正後,基本的形状をした物体による散乱特性,特に多重散乱過程を分離して測定できるかについて,集中的に実験を行った。その結果,時間分解能3nsec程度で,個々の散乱プロセスが分離でき,極めて精度の高いレーダであることを確認した。性能試験の結果,幾つかの散乱過程が分離・区別して把握できるので,さらに物体をいろいろ組み合わせた散乱モデルに対する実験の検討もしている。この中で,レーダに及ぼす多重散乱に関連する現象を見出すことを行う。しかる後,擬似降雨モデルでのエンハンスメントの影響に関する実験を行い,受信強度の同一偏波成分と交差偏波成分も測定する予定である。
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Research Products
(1 results)