2000 Fiscal Year Annual Research Report
筋運動系の可変インピーダンス特性の解析と電動義手制御への応用
Project/Area Number |
11650450
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
辻 敏夫 広島大学, 工学部, 助教授 (90179995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 荘志 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助手 (00284232)
原田 研介 広島大学, 工学部, 助手 (50294533)
金子 真 広島大学, 工学部, 教授 (70224607)
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Keywords | 運動制御 / インピーダンス / ロボット / 義手 / 筋モデル |
Research Abstract |
本研究では,人間の筋運動系のインピーダンス特性を実験的に解析しそのモデル化を行うとともに,人間のインピーダンス特性を取り込んだ新しい電動義手制御法を開発することを目的としている.そのため今年度は,前年度にモデル化した人間のインピーダンス特性を動力義手の制御問題に応用した.主要な結果は以下の通りである. 1.動力義手制御系のインピーダンス解析: 超音波モータを用いた3自由度前腕動力義手を用いてインピーダンス制御系を構成し,制御用コンピュータを用いて各関節のインピーダンス制御系を構築した.被験者は自らの筋電位を調節することにより,このインピーダンスの目標値を変更することができる.実験の結果,(1)超音波モータによるインピーダンス制御がある程度,実現可能であること,(2)導電性ゴムを利用したカセンサによりコンプライアントな動作が実現できること,(3)切断者の操作トルクと関節インピーダンスをリアルタイムで推定することにより,切断した部位の運動をある程度,再現できることなどを明らかにした. 2.人間-義手制御系の構築と操作性評価: 1で開発したインピーダンス制御系に動作識別機能を組み込むことにより,義手制御系を構築した.動作識別機能は,操作者の筋電位から意図した動作を推定するものでニューラルネットによる学習機能を用いて実現した.これにより操作者は望みの動作を望みのインピーダンスで行うことが可能となる.切断者(年齢42才,右肘関節から約5cmの前腕部を切断)による操作性評価実験を行った結果,十分な操作性を実現することができた. 今後は,実験により得られた知見を整理するとともに,作業中の人間のインピーダンス制御特性を解析し,動力義手やリハビリ装置に応用できればと考えている.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 田中良幸: "人間の上肢運動を模擬したロボットの軌道生成法"日本ロボット学会誌. 18・5. 699-705 (2000)
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[Publications] 辻敏夫: "義手制御を目的とした筋電操作トレーニング"電子情報通信学会. J83-D-II・10. 2030-2039 (2000)
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[Publications] 辻敏夫: "EMG信号に基づく前腕動力義手のバイオミメティック制御"日本機械学会論文集. 66・648C. 2764-2771 (2000)
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[Publications] T.Tsuji: "Pattern Classification of Time-series EMG Signals Using Neural Networks"International Journal of Adaptive Control and Signal Processing. 14・8. 829-848 (2000)
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[Publications] T.Tsuji: "A Bio-mimetic Rehabilitation Aid for Reaching Movements Using Time Base Generator"Machine Intelligence and Robotic Control. (掲載決定).
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[Publications] T.Tsuji: "A Virtual Sports System for Skill Training"Journal of Robotics and Mechatronics. (掲載決定).