2000 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリートの流動性制御を目的とした材料設計・品質管理システムの開発
Project/Area Number |
11650462
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂井 悦郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90126277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 陽子 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (50223938)
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Keywords | コンクリート / 流動性制御 / 高性能AE減水剤 / 水和 / 無桟電解質 / 吸着 / 分散作用 / 材料設計 |
Research Abstract |
建設分野では,コンクリート構造物の耐久性向上や合理化施工などの社会的な要請に答えるため高流動・高強度・高耐久コンクリートの検討が進んでおり,21世紀には主力な技術となることが予想されている.ここでは,高性能AE減水剤が重要な役割を演じる.本研究ではコンクリートの流動性制御と関連した材料設計・品質管理システムの開発を行うための基礎的なデータの蓄積を目的に,高性能AE減水剤の主成分である,ポリエチレンオキシドをグラフト鎖とする分子構造の明らかな櫛形高分子を用いて,その吸着・分散機構や初期水和あるいは微量成分の影響などを明らかにしていくことや濃厚系サスペンションの流動挙動などについて検討を加えた.特に,セメント系材料のように初期に水和反応を生じる場合には,高分子の初期水和反応への影響を明らかにしておくことが重要である.セメント系材料の初期水和を支配するCa_3Al_2O_6-セッコウ系の初期水和への高分子の影響を明らかにした.また,高分子の石灰石微粉末(CaCO_3)の分散作用におよぼす各種の無機電解質の影響を検討し,流動性制御や高分子の吸着機構について,さらにはフライアッシュあるいは塩素バイパスダストおよび再生微粉末に対する高分子の作用について明らかにした. 以上の結果より,流動性制御に関する材料設計や品質管理システムを開発するための要素技術の整理ができた.今後は,既に本研究代表者らが検討を行ってきている濃厚サスペンションのレオロジー,粉体の粒子特性と流動性と関連,櫛形高分子による粒子間ポテンシャルの計算による分散機構の解明や分子構造と分散作用の影響などと今回の成果を融合させ,セメントや高性能AE減水剤の材料設計や品質管理システムとして統合化していく必要がある.
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[Publications] Jinkyu Kang,JongKyu Lee 坂井悦郎,大門正機: "C_3A-セッコウ系水和反応に及ぼす分散剤の影響"Cement Science & Concrete Tech.. No.53. 71-77 (1999)
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[Publications] 坂井悦郎,川上晃,大門正機 他: "櫛形高分子の分散作用に及ぼす無桟電解質の影響"J.Ceram.Soc.Japan. 108(10). 904-908 (2000)
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[Publications] 坂井悦郎,川上晃,中村明則,大門正機: "高性能をAE減水剤の分散作用に及ぼす各種リン酸塩の影響"Cement Science & Concrete Tech.. No 54. 87-92 (2000)
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[Publications] 浜本浩明,川上晃,坂井悦郎,大門正機: "非イオン系界面活性剤と高分子系分散剤を添加したフライアッシュセメントペーストの流動性"コンクリート工学年次論文集. 22(2). 157-162 (2000)
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[Publications] E.Sakai M,Daimon,Lee Jongkyu: "Influence of superplasticizers on the fluidity of cement paste with ground hydrated cement"Proc.Intl workshop on Recycled concrete,JSPS 76 committe. 69-76 (2000)
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[Publications] E.Sakai,JK.Kang.H.Dainon: "Action mechanisms of comb-type superylastia'zers containing grafted polyethylene oxide chains"ACI SP195-6. 75-89 (2000)